飲食店に必要な専門家【税理士・社労士・司法書士・行政書士を徹底比較】

  • 「飲食店を開業したいけど経験や知識がないので不安」
  • 「お店の開業に関する相談は誰にしたらいいの?」
  • 「開店準備や経営サポートをしてくれる専門家(士業)の役割を知りたい」

飲食店の開業を検討している中、上記のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。開業時から運営までさまざまなジャンルの専門家のサポートを必要としているが、誰に何を依頼すればいいのか迷ってしまうこともあるかと思います。今回は専門家をジャンル別にどのような相談ができるのか、また代行・支援をしてもらえるのかを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.専門家に任せる訳

飲食店を開業すると決意したけど、何から手をつけたらいいのか分からない。また、開業後の経営に関する売上や利益(向上)の相談、事務作業などの代行・支援を受けたい。飲食店開業時の事務処理から経営までのあらゆる課題がたくさんありますね。資金繰り、人材の確保、社会保険手続き、個人事業から法人化にするといったさまざまな場面で専門家が必要とされています。専門分野に特化した士業の人達は飲食店経営のサポートを第一に考え、さまざまな業務をこなしてくれます。できれば、お店の開業準備段階から自分でできることとできないことを区分けしておくとよいでしょう。できないことは勿論のこと、専門家に任せたほうが安心だと思うことは依頼することをお勧めします。全て自力で事務処理などに時間を使うより、お店の経営を軌道に乗せることに時間を使うことのほうが重要です。そのため、法律や税金の手続きは専門家に任せて、お店の営業に専念することをお勧めします。

2.課題ごとに専門家の得意分野を把握する

飲食店を開業する上で必要な関係書類(営業許可書や個人事業主開業届出書など)を作成して各管轄に提出しなければならないことは理解していても、オープンまでの道のりは長く途中で迷いが生じることも多々あるかと思います。そこでお勧めしたいのが経営課題を各専門家に相談しながら物事を進めることです。ここでは、各専門家がどういう分野で代行・支援をしてくれるのか、主な業務内容を解説していきます。

2.1 税理士

飲食店を経営するうえで税理士は必要です。
決算書の作成、確定申告、資金繰りの相談など、お金に関するサポートをしてくれます。法人税、青色申告承認申請、事業所税などの申告代行や税務調査の立ち会いも可能です。また、毎月の勤務データを税理士へ渡すだけで給与計算や経理業務に必要な記帳代行も行います。おそらく、税理士は経営者にとって一番身近な存在かと思います。なかでも多くの飲食店の顧客先を持っている税理士(税理士事務所)は、業界のノウハウを蓄積されているので、経営に関するアドバイスを適切に受けることができます。

2.2 司法書士

司法書士の得意領域は登記業務で、会社設立時の関連書類と登記申請を依頼できます。本社(本店)移転などの重要事項の変更や資金調達、定款などに関わる法務局への登録業務を代行してくれます。様々な申請を問題なく自分で行うことは容易ではありません。この道のプロ、司法書士に依頼したほうが安心できるでしょう。

2.3 行政書士

飲食店を開業するためには保健所や消防署、警察署への認可申請が必要です。行政書士は依頼主の代理として書類作成をして提出するところまで行ってくれます。営業認可を得るためのレクチャーなど、あらゆる面でサポートをしてくれます。行政書士は開業する時にとても重要な存在です。

2.3 社会保険労務士

社会保険労務士は、労務管理や社会保険に精通したプロフェッショナルです。
飲食店は一般企業に比べ従業員の入れ替わりが多く勤務体系も複雑です。変形労働時間制を採用している飲食店が多くありますが、繁忙期と閑散期の差が激しく労働時間を調整しながらの勤務のため、忙しい時期の労働時間が長時間になることが多いです。社労士は、このような労働環境の整備や、労災事故が起きた際の事務処理などを代行してくれます。また、会社に従業員が5名以上在籍している場合は、社会保険の加入が必要になります。(ただし、個人経営で従業員5名未満であれば社会保険加入義務はありません)社労士は社会保険(健康保険・厚生年金)、労働保険料(雇用保険・労災保険)の手続きの代行もしてくれます。

3.専門家に支援・代行を依頼するメリット

飲食店に関する事務手続きの代行や相談をすると次のメリットがあります。

  • 開業(会社設立)するまでがスピーディ、お店の営業に集中できる…開業後しばらくは業務に慣れないこともあって忙しくいくら時間があっても足りません。手続きのための書類作成や申請書提出などを全て1人でこなすには、時間と労力が必要です。各専門家に任せることで開業まで物事がスムーズに進み、時間に余裕ができて本業であるお店の営業に集中できます。
  • それぞれの分野に精通した専門家目線でのアドバイスが得られる…飲食店の開業時には、さまざまな要素が絡み合って複雑になっています。たとえば営業許可はある条件を満たす必要がありますが、そのためには何をすればいいのか知らないでは済みません。分からないことは、曖昧な解釈ではなく専門家に相談し適切なアドバイスを受けることが大切です。

4.専門家を選ぶ時のポイント

飲食店を開業して経営が軌道に乗っているあいだも、様々な相談や代行をしてくれるのが専門家です。それぞれ得意分野が異なるため、どの専門家を選べばいいのか迷われる方もいらっしゃるかと思います。
依頼する時の選ぶポイントは、先述ましたが以下のように分けて考えておくと良いでしょう。

  • 司法書士⇒飲食店開業(会社設立)の手続きを依頼する
  • 行政書士⇒営業許可や申請書の書類作成等
  • 税理士⇒将来まで見据えての経営(税務)相談、日常の経理業務
  • 社会保険労務士⇒労働保険や社会保険手続きなど

また、飲食店開業時は一度相談したら終わりではなく、その後もこの専門家なら長く付き合えるか、対応してくれるかのなどの判断も大切です。費用についても重要なので確認はしておきましょう。
そして、最も大切なのは信頼できるかということです。高額料金で依頼を受けるだけで中途半端な内容だったというケースも稀にあります。特に経営初心者には注意してほしいです。できれば実績や口コミを確認してから依頼したほうが良いでしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は、飲食店に必要な事務代行から経営相談までしてくれる専門家の業務内容を解説しました。専門家に代行を依頼したほうが、事務作業を自分で行うよりコストパフォーマンスが良い場合もあります。依頼先によって得意分野が違うので、自身の悩みや知りたいことなど、状況に応じた経営としてのパートナー選びがベストだと思います。貴重な時間を本業に使い、開業・経営の相談や事務手続き、バックオフィス業務はプロの専門家に依頼してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

広田 淳