飲食店経営の新しいスタイル「シェアレストラン」とは?わかりやすく解説

  • 「シェアレストランとは、どのようなサービスなのか知りたい」
  • 「シェアレストランで開業のメリット・デメリットを知りたい。」
  • 「シェアレストランで多店舗展開は可能?」

このようなお悩みや疑問を抱えている飲食店経営者、飲食店開業を目指している方の話をよく聞きます。今、注目を集めている「シェアレストラン」とは、どのような開業方法なのか。
今回の記事では、「シェアレストラン」の仕組みやメリット・デメリット、開業前に注意点したいポイントを解説していきます。是非、参考にしてみてください。

1.シェアレストランとは?

シェアレストランとは、飲食店の経営スタイルの一つです。既存飲食店の定休日や営業時間外(アイドルタイムなど)を借りて、自分のお店として営業する業態です。既存の飲食店は、お店の空き時間を有効活用でき、飲食店を始めてみたい方は、初期費用が大幅に抑えられ、双方にとってたくさんのメリットがあります。
シェアレストランは、既存の飲食店と出店したい方をつなぐ、「マッチングサービス」を利用するのが主流です。このシェアレストランという仕組みを初めに造ったのが、吉野家ホールディンググループの株式会社シェアレストランです。飲食店業界では、今後も注目を集めることが予測されます。

2.シェアレストランのメリットとは?

2.1 飲食店開業時の費用が大幅に抑えられる

飲食店を新規開業するとなれば、多大な資金が必要になります。シェアレストランを利用して開業すれば、保証金や内装工事など一切不要なり、低コストで開業することが可能です。飲食店経営のリスクを大幅に軽減できるのは、一番のメリットといえるでしょう。

2.2 飲食店経営の経験を積むことができる

飲食店開業して3年続けられるのは20%以下といわれています。資金繰りが難しくなり閉店してしまう飲食店がほとんどと厳しい業界です。これから飲食店開業を目指している方は、自分のビジネスプランが通用するのか、リスクを抑えてテストマーケティングをすることができます。

2.3 短期間で出店することができる

飲食店を新規開業するとなれば、内装や設備を整えたり、諸手続きに時間を使うため、お店をオープンするまでに数ヶ月かかることもあります。シェアレストランは、既存飲食店を間借りすることで、準備にかかる期間が必要ないため、短期間で飲食店を開業することができます。シェアレストランのサービスを利用すれば、最短1ヶ月で出店することが可能です。

3.シェアレストランのデメリットとは?

3.1 営業時間に制限がある

借りている既存飲食店との契約時間内に開店準備から閉店の片づけまで行わなくてはいかないので、思い通りの飲食店運営が難しい可能性があります。時間に自由度が少ないのは、ストレスに感じるでしょう。

3.2 利用できるスペースが限られている

借りている既存飲食店の設備や冷蔵庫のスペースを共有することになります。利用できるスペースが限られているので、不便に感じることもあるでしょう。いざ営業を開始してからスペースがなくて困った!というようなことがないよう、事前に借りている既存飲食店に相談し、確認する必要があります。

3.3 自分のイメージ通りのお店づくりができない

厨房の設備によっては、自分の構想していた料理が提供できなかったり、自分のコンセプトとお店の雰囲気が合わないと感じる可能性もあります。100%自分のイメージ通りのお店がつくれないというのはデメリットに感じるでしょう。

4.事前にトラブル対策を想定しておくは大切!

シェアレストランを始める前に様々なトラブルを想定しておくことはとても大切です。明確なルールを取り決めてもトラブルが起こる可能性はあります。よくあるシェアレストランのトラブル3つを解説していきます。

①設備や共有スペースを破損してしまった
注意していても店舗の設備や共有スペースを破損してしまうことはありえます。シェアレストラン側が全額請求されたというケースもあります。開業前に双方で話し合い、対処方法や賠償内容を確認しておく必要があります。

②食中毒を起こしてしまった
シェアレストラン側が食中毒をおこしてしまった場合、責任の所在はシェアレストラン側にあり、保健所から営業停止の処分を受けます。既存飲食店の処分は、契約内容により異なります。既存飲食店にも責任が問われ、営業停止になる場合もあります。

【既存飲食店に影響ない】
店舗物件オーナーの承諾を得て既存店とシェアレストラン側の双方に貸し出している

【既存飲食店も責任が問われる】
既存飲食店がシェアレストランに業務委託している

③金銭の管理
金銭の管理は、事前にしっかりと取り決めをしておくことが必要です。金銭でトラブルが発生すると、信頼関係が崩れてしまう可能性が高いです。金銭の管理は、徹底して別々に管理し、トラブルを未然に防ぎましょう。

5.シェアレストランマッチングサービス3選を紹介

既存飲食店と飲食店開業希望者との物件をつなぐマッチングサービスは増え続けています。
以下、マッチングサービス3選を紹介していきます。

5.1 シェアレストラン

株式会社シェアレストランは、吉野家HDが運営するシェアレストランマッチングサービスです。シェアレストランマッチングサービスの仕組みを最初に導入したのが、吉野家HDの株式会社シェアレストランです。

【運営会社】
株式会社シェアレストラン

【特 徴】

  • 1ヶ月から開業できる
  • 多くの実績がありシェアレストランの活用ノウハウを公開している
  • 複数出店やテストマーケティングに適している

【シェアレストラン公式サイト】

5.2 Magari-シェアレストランby軒先

Magariは、軒先ビジネス軒先パーキングなどスペースシェアマッチングサイトに属するシェアレストランです。運営会社の株式会社軒先は、複数のシェアサービスを展開しており、シェアサービスのパイオニアといえるでしょう。

【運営会社】
軒先株式会社

【特 徴】

  • 1ヶ月から開業できる
  • 補償プログラムが充実しているので安心
  • 複数出店やテストマーケティングに適している

【Magari公式サイト】

5.3 飲食マッチ.COM

飲食マッチ,COMは、開業資金は家賃1ケ月分、開業後は家賃/毎月と、わかりやすい料金体系なので複雑な契約に頭を悩ます必要がありません。また、無料の飲食店のトータル経営コンサルティングを受けることもできるので飲食店の経営が初めての方でも安心して出店することができます。

【運営会社】
飲食マッチドットコム

【特 徴】

  • 1日単位の時間貸しも可能
  • 経営コンサルティングを提供しており、経営初心者でも安心
  • 10万円以下から飲食店開業が可能

【飲食マッチ.COM公式サイト】

さいごに

いかがでしたか?
シェアレストランとは、メリット・デメリットがご理解頂けたかと思います。
シェアレストランの業態は、今後、飲食店の新しいスタイルとして世間に浸透し、継続して利用されていくと予測されます。将来、一般的な飲食店の経営スタイルとして認知されていく期待が大きいでしょう。飲食店の開業を検討されている方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人