今さら聞けない!飲食店の領収書に収入印紙はいくらから必要?

収入印紙とは、行政が税金を徴収する手段として利用する認証のことです。一般的には「印紙」と呼ばれることが多いです。
それでは、飲食店の領収書にも収入印紙が必要なのでしょうか。
領収書は金銭を受け取ったことの証明として相手に渡します。領収書など、お金の動きを証明する証書や帳簿などを「課税文書」と呼び、それらに課される税金を納めるために収入印紙を貼ります。この税金は印紙税法に定められている「印紙税」といい、印紙を貼り付けて、署名もしくは押印(割印)することで納税をしたことになります。
収入印紙は、法務局、郵便局、コンビニなどでも購入することができます。

2.収入印紙はいくらから必要か?印紙代はいくら?

領収書に収入印紙を貼付ける必要がある金額は、5万円以上と定められています。
※平成26年4月1日以前は、3万円以上でした、
詳しい金額は、以下の通り、国税庁が発行する「印紙税額一覧表」に記載されています。飲食店の領収書の場合は印紙税額一覧表にある17号文書にあたります。
印紙税額一覧17号文書より抜粋
記載された受取金額必要な収入印紙の金額
5万円未満非課税
100万円以下200円
100万円を超え200万円以下400円
200万円を超え300万円以下600円
300万円を超え500万円以下1,000円
500万円を超え1千万円以下2,000円
1千万円を超え2千万円以下4,000円
2千万円を超え3千万円以下6,000円
3千万円を超え5千万円以下10,000円
5千万円を超え1億円以下20,000円
1億円を超え2億円以下40,000円
2億円を超え3億円以下60,000円
3億円を超え5億円以下100,000円
5億円を超え10億円以下150,000円
10億円を超えるもの200,000円
額面が5万円以上であっても税抜金額が49,999円以下であることが特定できる記載がされているのであれば収入印紙は不要です。また、収入印紙は貼り付けただけでは、税金を納めたことにはなりませんので注意が必要です。貼り付けた収入印紙と領収書の間に署名、もしくは押印(割印)をすることが義務付けられています。これは印紙の再利用を防ぐためで、この処理をすることで初めて収入印紙を利用した納税が認められます。

3.領収書に収入印紙を貼らなかったら、どうなるのか?

収入印紙を貼る対象の取引があった際に、領収書に収入印紙を貼らなかった場合は、「印紙税法」の第20条の規定により、「過怠税」が課せられます。「過怠税」とは、税金を納付しなかった場合に課せられる罰金のことです。その場合、罰則として規定の印紙税額の3倍(最低額は1,000円)を納めることになります。意図的ではなく、貼り忘れたとしても、収入印紙の金額が足りなかった場合でも同様です。また、領収書に収入印紙を貼っていたとしても、正しい割印ができていない場合も同様に罰則対象となります。

4.クレジット払いの場合、領収書に印紙は必要なし?

クレジットカードで支払をすると、お店側は利用伝票(お客様控え)を発行してくれます。
この利用伝票には利用日、商品名、支払金額などが記載されていますが、税法上の「領収書」には該当しません。クレジット払いでの取引は、その時点で現金を受け取るわけではなく、いわゆる『信用取引』となります。領収書は、商品やサービスの代金を『現金』で受け取った事実を証明するための書類とされているからです。
クレジット払いでの領収書をお客さまから頼まれて発行する場合は、クレジットを利用したことを記載する必要があり、注意が必要です。仮にクレジット利用の記載が抜けてしまうと、それは領収書として扱われることになり、5万円以上の取引になると収入印紙が必要となってしまいます。

5. 内訳を書かないと損してしまう?

前記で述べた通り、領収書に収入印紙が必要なのは、税抜き5万円以上の現金取引の場合です。税込み5万円では、領収書に収入印紙を貼り付ける必要がありませんが、領収書にある内訳に、必ず消費税額を記載する必要があります。
例えば。
税込み53,900円(税抜き49,000円)の領収書で内訳を書かなかった場合、領収書の額面の金額で判断されてしまうため、5万円を超えた現金取引をなり、200円の収入印紙が必要となってしまいます。領収書にある内訳は、この領収書の金額が税込か税抜きかを表す大事な部分となります。内訳を書かないことで無駄な印紙を貼らないように、注意が必要です。

6.レシートにも印紙を貼らないとだめなのか?

手書きの領収書には収入印紙を貼っている店舗も多いと思いますが、レジスターから打ち出されるレシートにも忘れずに収入印紙を貼っていますか?レシートには貼りつける必要はない、と思っている人は意外と多くいます。
しかし、印紙税法の第17号文書「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」には、レジスターから打ち出されるレシートも該当します。
お客様がレシートに収入印紙が貼られているかを気にすることはあまりないかと思いますが、飲食店側は貼り付けが必要なことを認識しておくべきです。

7 領収書を再発行する場合も印紙は必要?

お客様が領収書を紛失してしまったら?領収書の再発行を依頼されたら?本来、領収書は再発行しないものですが、大事なお客様からの依頼で断れないこともあるでしょう。
問題は、再発行する金額が税抜き5万円を超えている場合に、また領収書に収入印紙を貼らないといけないのか、ということです。領収書は再発行であっても、取引事実を証明する証拠書類であることには変わりません。
再発行の領収書であっても収入印紙はあらためて貼り付ける必要があります。

さいごに

飲食店で領収書に貼り付ける収入印紙は、5万円未満の場合は印紙を貼り付ける必要がなく、それ以外の場合は、記載金額によって、細かく印紙代が定められています。
収入印紙を貼らなかった場合の過怠税も定められていますので、領収書の発行の際には、収入印紙について注意深くチェックしましょう。
正しい基礎知識を理解しておくことで、健全な飲食店経営ができるよう心がけましょう。

この記事を書いた人

広田 淳