飲食店は競合店が多いため非常に厳しいビジネスだと言われています。しかし、連日たくさんのお客様で賑わっているお店も存在しています。その一方で来店数が少なく閑散としているお店もあります。それら店舗は料理やサービスなどさまざまな違いによるもの、そして顧客へのアプローチ方法にもあるようです。今回は、繁盛しているお店の共通点でもある「トイレの気配り」の表現について解説していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.飲食店のトイレはお客様にどう映る?
飲食店のトイレに入った瞬間、お客様が思うことは先ず「キレイ」か「汚れている」のどちらかがではないでしょうか。
人の印象は5秒で決まると言われていますが、飲食店のトイレに入ったときも5秒でお店のイメージが決まるということもあります。飲食店の印象を左右してしまうほどトイレは重要な位置にあるということが分かります。
ここでは、トイレの状態によってお客様の目にどう映るのか、そしてどう感じるのかみていきます。
▼清潔できれいなトイレ
- 店舗のイメージアップに繋がり、積極的に次回も来たいと思う
- きれいな状態にしていることで、全体的に気遣いのあるお店だという印象を受ける
- 特に女性客は清潔できれいなトイレであることを他人に教えたくなる(勧めたくなる)
- きれいな状態は当たり前なので不愉快さはない
▼汚れているトイレ
- お店のイメージダウン、再入店は躊躇ってしまう
- 料理やサービスに満足していても、お店のイメージダウンに繋がる
- 経営者やスタッフなどの仕事意識が低い
- 汚れていたという不愉快さを周囲に話す
トイレの印象は男女差がありますが、できる限りきれいな状態にすることが大切です。また、店内のスペースが狭い飲食店は男女共用トイレが多く、分かれていないトイレに比べて汚れやすいです。お店のイメージを高めるためにもこまめにトイレチェックをするように心がけましょう。
2.トイレの気配りについて
トイレをきれいにすることは基本だと先述しました。ここでは「きれい」を前提に、更にイメージアップを目指すためにどんな気配りをすればいいのか解説していきます。
2.1 清潔さを保つ
トイレを清潔に保つことは、衛生面でも気を付けていることを証明 できます。
以下の場所を掃除することで汚れたトイレも清潔感のあるトイレに変わります。
- 手洗い場付近の水撥ねによる化粧台、鏡などの汚れを拭く
- ゴミ箱やサニタリーボックスの中にあるゴミがあふれ出していないか確認する
- 便座や蓋、便器は抗菌シートで拭く
- 床が水浸しになっていることがあるので、モップなどで拭く。
営業中でもトイレが汚れていたら簡単に拭く、捨てるなどはできます。また、営業前のトイレ掃除は外側から始めて内側を最後に行うと良いでしょう。
2.2 お店スタイルに合わせた照明器具
トイレの照明の色や光の強弱に変化つけることで居心地の良さを与えられます。基本的に明るいトイレは清潔感がありますが、間接照明を用いてお洒落感を演出しても良いでしょう。光の当て方(角度や色、・強弱など)に工夫することで床や壁の素材感を活かした表現になります。また、鏡にも美しく映るので化粧直しをする女性にとっては非常にポイントが高いです。店舗スタイルに合わせた照明器具に変化をもたらせると、トイレへの気配りをしていることが伝わります。
2.3 アメニティグッズでおもてなしをする
店舗形態によって異なりますが、最低限に必要なものからあると嬉しいアメニティグッズをここで紹介したいと思います。
- ハンドソープ
- ペーパータオル
- 芳香剤や消臭剤
- あぶらとり紙・コットン
- ハンドクリーム
- マウスウォッシュ
- 綿棒
- 女性用生理用品
上記の①~③は必ず必要です。④~⑧はあると嬉しいアメニティグッズです。
トイレは身だしなみを整える空間でもあります。必要なものに加えたアメニティグッズを揃えることで気配りのあるお店だという印象を与えます。
2.4 臭いに配慮する
トイレの不快な臭気はイメージダウンしか与えないと言ってもよいでしょう。
いやなニオイがしたら、以下のような対策を取るようにしましょう。
- トイレ内の空気を循環させるため換気扇の強弱で調整します。もし改善できない場合は換気扇の掃除を行いましょう。(できれば掃除業者に依頼することをお勧めします)
- 消臭剤を使用することで悪臭が改善できることがあります。
- トイレはニオイを避けるためにもできるだけ店内の突当り(奥)に配置するようにします。そうすることで店内に広がる臭いが軽減できます。
- 定期的に掃除を行います。
臭いは人の記憶に残ります。不快なトイレのニオイは未然に防ぐことが大切です。
2.5 トイレの配置や空間にも配慮を
客席のテーブルから近い(視界に入る距離)トイレの配置は衛生上に問題があり、お客様の心理的なことを考えると避けたほうが良いでしょう。
食事中にトイレのドアが視界に入ってしまうと不快に思い、落ち着きません。先述したように、できればトイレまでのアクセスを考慮しながら店内の奥に配置したほうが良いでしょう。
トイレの空間は一時的なくつろぎの場でもあります。以下のポイントを押さえることで快適な空間づくりができます。
- 狭すぎるとトイレは息苦しさを感じてしまうため、ある程度のスペースが必要です。
- 心地よい香りが広がるフレグランスを用いることでさりげないおもてなしの気持ちが伝わります。
- 床と壁は同系色に揃えると落ち着ける空間という印象を受けます。
3.トイレで世界観をパフォーマンスしてみよう
飲食店のトイレはお店の世界観を演出できる場所でもあります。
自分が表現してみたいアイデアを組み合わせることで個性的なトイレ空間に仕上がります。
- ★照明・・・照明の色や明るさなどを工夫します。例えば鏡の裏に間接照明を配置し明暗調整をすることで柔らかさが表現できます。またはネオンライトを使用することでポップな明るいイメージになります。
- ★床、壁紙・・・店内に合った床柄を選ぶようにしましょう。個性的でインパクトの強い柄を選ぶ場合は壁デザインとのバランスをとるようにします。逆に壁にインパクトをつけたい場合、床は無難な無地にすると良いです。
- ★手洗い器・・・トイレと化粧台の仕切りが無い場合は機能的で省スペースな手洗い器を選ぶとお洒落感がでます。手洗い器はあまり個性的に仕上げるのは難しいのですが、小さな物体がひとつ設置してあるだけで個性的(おしゃれ)なトイレ空間になります。近くに棚を作り小さな水槽を置くなどしても良いかもしれません。
- ★インテリア装飾・・・トイレ内でお店の世界観を表現できるインテリア装飾は大いに活用できます。現代アートやポップアートなどの絵を店主の好みで飾ったり、雑貨なども置くことでお店の印象が強くなります。
トイレでの世界観の演出は唯一遊びの場でもあります。ただし、清潔であることは基本なので、それに加えてお店の個性を表現するようにしましょう。きっとお客様を楽しませることができるでしょう。
4.トイレの高評価は集客につながる
飲食店のトイレが清潔で快適な環境であれば、お客様はお店に好印象を持ち再度訪れてくくれる可能性が高くなります。トイレへの配慮が伝わることで、そのお店のサービスや料理など全体的に満足のいく店舗に位置づけられます。SNSなどの口コミでも好評を受けることができ、新規のお客様を獲得できるようになります。
人が人を呼び込むという大きな集客につながります。
その一方で、汚く不快なトイレは評価が下がり再度お店には足が向かない傾向にあります。
トイレが悪環境だったことをSNSで拡散されることも考えられます。もちろん集客は得られず、お店のイメージダウンに繋がってしまい売上減少ということもあります。
飲食店のあらゆるところで気配りをすることで集客はできます。経営者はトイレづくりの一環として清潔で快適な場所として提供できるよう心掛けると良いでしょう。
さいごに
いかがでしたか。トイレは「清潔」「ニオイ」「アメニティ」に気を使うことで好印象に繋がります。清潔を保つことで気配りが伝わり、そしてお店の世界観を表現することでお客様に印象深くなり記憶に残ります。「トイレの気配り=お客様への気配り」です。集客のためにもトイレを楽気持ちの良い・面白い空間として演出してみてはいかがでしょうか。