- リピーターを増やすためにポイントカードは導入したほうがいいの?
- ポイントカードの種類は?どのタイプを導入したらいいのか分からない。
- ポイントカードで得られる効果とは?
このような悩み・疑問をお持ちの飲食店の経営者も多いのではないでしょうか。
大手チェーン店から個人経営のお店まで、ポイントカードを設けている飲食店が数多くあります。飲食店にとって常連客が多ければ多いほど経営が安定すると言われています。その常連客となってくれるまでが難しく、飲食店にとっては課題の一つです。課題をクリアするためには、お店側でお客様がリピートしてくれる仕組みをつくらなければなりません。ポイントカードはその仕組みの役割を果たしてくれていると考えられます。
もくじ
1.ポイントカードの役割・目的
ポイントカードとは、会計時に飲食代をポイントに換算しカードに記録させ、決められた来店回数まで貯まったら特典が得られるというサービスです。
以下のような役割・目的で導入されています。
①再来店の促進
ポイントカードの付与による特典やサービスに付加価値を付け、顧客が価値のあるものだと感じれば、最大の目的でもあるリピートに繋がります。
②客単価の向上
通常のポイント付与ではなく、例えば「5のつく日」、「雨の日」などの特定日を設定し、その日に来店するとポイントの還元率を高くします。そうすることによって目的でもある顧客の利用頻度が増し、客単価の向上にも繋がります。
③競合店との差別化
自店向けポイントカードに限ってですが、珍しい特典方法やユニークなサービスなどアイデア次第他店との差別化を図れるようになります。ポイントカードは集客の目的でもあり、役割も果たしてくれます。
2.ポイントカードの種類
ポイントカードの種類は、「自店舗のポイントカード」と大手企業が手がける「共通ポイントカード」の2つがあります。それぞれのポイントカードの特徴やサービスは異なりますが、再来店促進の目的は変わりません。
2.1 自店舗のポイントカード
自店舗のポイントカードは他店では利用できないため、独自のオリジナルカードを自由に作成することができます。デザインやポイント還元、付与方法で他店との差別化を図ることができ、顧客に大きな期待感・満足感を与えるような仕組みをつくることができます。ポイントカードのタイプは紙とリライトカードなどがあります。
・紙タイプのカード
紙タイプのカードは、多くの飲食店で手軽に導入できるポイント(スタンプ)カードです。名刺代わりとして渡すこともできます。費用は2つ折りのダブルタイプで500枚25,000円から、シングルタイプは500枚20,000円が相場です。サイズは名刺ほどの大きさで、お財布に入るのでかさばらないのが魅力的です。
・リライトカード
リライトカードとは、その都度ポイントを書き換えしてくれるカードです。お店にある専用機械にカードを通すと、情報が更新されます。1枚で300~500回までのリライトができるカードタイプがあるため、初期費用は専用機械とカードの枚数分を用意すればランニングコストは抑えられます。(初期費用の相場:機械120,000円~、カード1枚80円~)カードサイズは紙タイプと同じなのでかさばりません。専用機械にカードを通すと自動的に顧客(実績)データがパソコンに転送されるので、顧客情報管理もできます。
2.2 共通ポイントカード
共通ポイントカードは飲食店に限らず、加盟している店舗であれば利用できる認知度が高いカードです。代表的なのが「Tポイントカード」、「Pontaカード」、「dポイントカード」などです。提携店舗やインターネットでカードの発行ができます。また、スマホにアプリをダウンロードすることもでき、アプリをお店のバーコードで読み取ることでポイントが貯まるという仕組みになっています。共通カードは加盟店全体で顧客を囲い込もうとする集客戦略のひとつですが、飲食店のポータルサイト(ぐるなびなどのグルメサイト)で店舗を紹介してくれるといった共通ポイントカードの提携会社のバップアップも受けられるメリットがあります。顧客情報はポイントカードの各運営会社が「会員の所在地」「リピート率」「利用ポイント状況」「購入単価」を月単位で加盟店に知らせてくれます。顧客情報は限られていますが、顧客ニーズを把握した販促活動が可能です。ただし、注意点として継続的な費用が必要になり、店舗独自の方法で還元ができないため他店との差別化を図ることは困難です。
2.3 デジタルポイントカード
紙やプラスチックなどによるポイントカード以外にスマホによるポイントカードも今注目を浴びています。その中でも代表的なのがLINEでお店のポイントが貯められる「LINEショップカード」です。店舗側が用意したQRコード(ポイント付与用)にお客様が読みとることでポイントを付与するという仕組みです。お客様が貯めたポイントに対してニーズにあった特典を提供すると良いでしょう。デジタルのポイントカードはコスト削減にもなり、お客様が持ち運ぶ手間がなくなり、紛失も防ぐという利点があります。
3.ポイントカードの運用方法と効果
ポイントカードを導入することによって、いったいどんな効果が得られるのでしょうか。また、どのように運用していけばいいのかみていきましょう。
3.1 リピート率が上がる
お客様のニーズに応えることがリピーターの獲得に繋がります。そのためにはポイント回数のサイクルや特典内容のバリエーションを改善していくことも必要です。例えばボーナスポイントを設けたり、誕生日月には「お食事1品割引」、「ドリンク無料」などといった工夫です。そうすることによってお客様が特別なお店となって次第に利用頻度も高くなり、お店のリピーターになります。
3.2 顧客の心理的効果を利用する
ポイントカードのゴールが近付けば、人は最後の意気込みとしてモチベーションが高くなります。例えば下記のように①ゼロから始まるポイントカードと、②既にサービスで2個貯まっているところから始めるポイントカードがあるとします。残りの獲得するためのポイント数4個はどちらも同じですが、2通りのポイントカードをお客様に渡した時、既に2つポイントを獲得してある②のほうの完成度が高いという検証結果が得られています。いかにも自分が通ってきた証だと錯覚したような最後の意気込みに繋がっているようです。このような顧客の心理を動かす工夫をしたことによって得られる効果はとても大きいです。
さいごに
いかがでしたでしょうか。ポイントカードはリピートしてもらえれば売上向上や集客の獲得に繋がります。店舗の規模や運用方針によって明確なタイプのポイントカードを選び、目的に応じた運用ができれば効果の期待は多いにあります。そしてポイント還元がお客様にとって来店目的に応じたメリットであることをお店側がアピールをして、リピートしてもらうことがとても重要です。