リキュールを美味しく飲むために~基礎から保存方法まで解説~

カクテルを作るときに欠かせないのがリキュールですが、どんなお酒なのかよく知らない、曖昧という人も少なくありません。リキュールはお酒が苦手な方にも甘みがあって飲みやすく、着色料を使用したものはブルーやグリーン、ピンクなどカラフルな色で見た目も楽しませてくれます。今回は「リキュール」の基礎知識や種類、保存方法まで解説します。普段リキュールを飲む機会が少ないという方も、飲食店でカクテルを作るとういう方もお酒のバリエーションが広がりますのでぜひご参考にしてみてください。

1.リキュールとは?スピリッツとの違いは?

リキュールとは蒸留酒にハーブや果実、香料などで風味付け、シロップや砂糖の甘みを加えて作られた混成酒です。しかし全てが混成酒=リキュールではなく、醸造酒であるビールやワインをベースにした混成酒もあります。リキュールは、あくまでもベースが蒸留酒であることに限られています。また、リキュールは果実やハーブなどの味や甘い香りがしっかりとお酒に移るため、そのまま飲んだり、ソーダやジュースで割ってカクテルにしたり、お菓子の風味付けとしてよく親しまれています。一方、スピリッツは蒸留酒全般のことをいいます。世界中で多くのスピリッツが作られていて「ジン」、「ウォッカ」、「テキーラ」、「ラム」は世界の4大スピリッツと呼ばれています。ウィスキーやブランデー、焼酎も広い意味では蒸留酒ですが、これらは含みません。そして、そのスピリッツ(蒸留酒)に果実や香草などの香味をお酒に移し甘みなどを加えた混成酒がリキュールになります。

2.リキュールの種類とアルコール度数

2.1 苦みのある『香草・薬草系』

スパイス、薬草を原料としているリキュールは、薬酒として開発された起源にもっとも近い種類になります。独特な苦みと香りがあるため苦手な人もいますが、一度ハマると癖になると言われています。ハーブ系で最も有名なのが「カンパリ」で、苦みがあり柑橘類と相性がよく、オレンジジュースで割った定番のカンパリオレンジは今でも大変人気です。アルコール度数は25度程度となります。また、“禁断の酒”、“悪魔の酒”などと呼ばれ、独特な香りのする「アブサン」というリキュールも注目です。原料のニガヨモギに含まれるツヨシという精油成分が幻覚や錯乱を引き起こすと言われ、かつては芸術家たちを魅了したお酒でもあります。一旦は製造中止となりましたが、現在ではツヨシの残存許容量の基準を定めたことから、ヨーロッパ方面で多く作られています。アルコール度数は40~70度のもが多いですが、高いものだと90度ぐらいのものもあります。

2.2 甘い味・香りがする『果実系』

現在、リキュールのなかで最も主流となっているのが果実系リキュールで、果肉や果汁、果皮を原料とし、カクテルだけではなく洋菓子にも使われています。有名なのがオレンジの果皮を使った「オレンジ・キュラソー」と程良い酸味がある「クレーム・ド・カシス」です。キュラソーは大きく分けて、無色透明のホワイトキュラソーと橙色のオレンジキュラソーがあり、その他ホワイトキュラソーに合成着色料で着色したブルー、レッド、グリーンのキュラソーがあります。いずれも果皮を使用していてアルコール度数は基本40度ぐらいと高めです。一方、カシスは果実系の代表的なリキュールで、強い甘さで香りがよく、酸味のあるオレンジジュースで割ったカシスオレンジや炭酸で割ると爽やかな味になるカシスソーダが定番です。アルコール度数は約20度程度となります。

2.3 香ばしい香りがする『ナッツ・種子系』

食後酒としておすすめなのがナッツや種子系のリキュールです。コーヒー豆やカカオ、ヘーゼルナッツなどを原料としたキリュールで、どれも牛乳やクリームと相性がよく、とても濃厚な香りがするお酒です。メキシコ産のコーヒー豆を使用したコーヒーリキュールの「カルーア」が最も代表的で、アルコール度数は基本的に20度ぐらいのものが多く、コーヒーの風味とコクのある甘みが特徴です。牛乳で割ったカクテルのカルーアミルクが女性を中心に大変人気です。その他、イギリスを原産国とするリキュールでラム酒をベースにココナッツの原料を含んだ「マリブ」も人気です。香ばしい香りが特徴でココナッツの風味と口当たりがとても良く、ミルクやオレンジジュースなどと相性がいいリキュールです。アルコール度数は21~24度程度で、甘い香りがとても魅力的です。

2.4 まだまだある『その他』

上記のどの種類にも分類されないリキュールは、たんぱく質や脂質を多く含んだ卵やクリーム、ヨーグルトなどを原料としたものが数多くあります。
オランダで生産されている「ヨーグリート」は、その名前の通りヨーグルトを原料としたリキュールで、甘みもあり口当たりもなめらかでデザートのようです。アルコール度数は16度と低めなのでお酒の弱い方にもおすすめです。その他、アイルランド産でアイリッシュウィスキーをベースにクリームやカカオなどが入った甘さ控えめの「ベイリーズ」というクリーム系リキュールも人気を呼んでいます。アルコール度数は17度と低めで、ストレートやロックで飲まれることも多いようです。

3.リキュールの賞味期限と保存方法

リキュールには明確な賞味期限は殆どありません。アルコール度数や糖度が高いリキュールは比較的に賞味期限が長いのですが、中には未開封でも原料によっては痛んだり、開封後の時間が経ったものはリキュール本来の風味が失われたりする場合もあります。意外と知られていないリキュールの賞味期限と保存方法を解説します。

3.1 未開封のリキュール賞味期限

高温多湿で直射日光が当たらない場所であれば、基本的には数年は日持ちします。ただし、フルーツ系リキュールとクリーム系リキュールはアルコール度数が低く、原料によっては痛みやすいので注意してください。フルーツ系リキュールもであって「クレーム・ド・カシス」は例外で、糖度が高いため賞味期限は長くなっています。

3.2 開封後のリキュール賞味期限

開封後は空気に触れて酸化しやすく劣化していくので注意が必要です。特にクリーム系リキュールは製造工程上、加熱処理をしていないため常温だと酸化し腐敗してしまいます。ウィスキーやブランデーなどの蒸留酒は問題ありませんが、香味原料を加えたリキュールはアルコール度数が低いものが多いことから痛みやすいので、開封後は早めに飲み切った方がいいでしょう。香草・薬草系は比較的に賞味期限が長いのですが、香りが肝心なリキュールなので開封後は早めに飲むことをおすすめします。また、果実系は果肉や果皮が痛むことがあるので賞味期限は短いほうです。もし賞味期限が怪しいなと感じたら、色の変色や臭いを確認してみましょう。

3.3 正しい保存方法

低アルコールや果汁、シロップなどの風味づけが多いものは賞味期限が記載されていることが多いでので比較的安心できるのですが、長期間の保存が可能なものは賞味期限が設けられていません。そこで、なるべく長く保存ができて美味しくいただけたらと思い、リキュールの保存方法のポイントを3つあげてみました。

  1. 高温多湿、直射日光を避ける
    室温30℃を超えるような場所に長期間放置すると、香りや味の劣化が始まります。
    未開封でもなるべく冷暗所での保存をおすすめします。
  2. 冷蔵庫で保管
    保存方法の一番の理想は冷蔵庫です。特に開封後のクリーム系、卵系などのリキュールは冷蔵庫で保存し、なるべく早く飲み切りましょう。
  3. ふたはしっかり拭き取り、しっかり閉める
    ボトルの注ぎ口は、開けたらしっかり拭かないと固まってしまい、開けづらくなります。
    また、空気に触れると酸化しやすくなるため、開封後はしっかりと閉めましょう。

さいごに

今回はリキュールについて解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
リキュールは果実やナッツ、ハーブ、クリームなどのフレーバーや砂糖を加えたバリエーション豊かなお酒で、味わいや風味もそれぞれ異なるので、その日の気分に合ったリキュールを楽しむのもいいですね。お酒があまり飲めない方や、既に飲食店でカクテルを作ってお客様に提供されている方にも少しでもこの記事を参考にしていただけたらと思います。そして是非、好みのリキュールを入手し、自分へのご褒美、または飲まれる方へのおススメのカクテル作りにトライしてみてはいかがでしょうか。