飲食店における外国人観光客向けトラブル防止対策マニュアル

  • 「お通しは無料だと勘違いされ、トラブルに発展してしまった。」
  • 「大騒ぎして食事している外国人観光客をどう注意していいかわからない」
  • 「外国人観光客の受け入れ準備としてトラブル防止対策マニュアルを作りたい」

このようなお悩みや疑問を抱えている飲食店経営者、インバウンド対策を検討している方の声を多く聞きます。

今回は、外国人観光客が飲食店で起こすマナー違反とは?、トラブル事例と防止対策を解説していきます。是非、参考にしてみて下さい。

1.外国人観光客が飲食店で起こすマナー違反とは?

近年、日本を訪れる外国人が急増しています。日本政府観光局によると、2024年3月に発表した訪日外客数は、300万人を超え、コロナ前の同月比では11.6%増しとなりました。
それと共に、外国人観光客のトラブルが増加しているというニュースをよく目にします。
文化や習慣に違いで、日本のマナーを知らすに悪気なく起こってしまうケースが多く、マナーを守ろうとしていないというわけではないようです。
外国人側だけではなく、受け入れる日本側でもマナーの啓発が不十分であったり、お店のルールを明記していなかった場合もあります。
日本での観光や食事を楽しんでもらうためにも、トラブルに発展しないような受け入れ対策を十分に行う必要があります。

2.飲食店における外国人観光客トラブル防止対策

2.1 お店のルールやマナーを多言語表記する

最低限守って欲しいマナー、守ってもらいたいルールは、「英語」、「中国語」、「韓国語」、など主要な多言語の表記を設置しましょう。
簡単な文章であれば、ネットの翻訳サイトを活用して作成できます。
日本のマナーやお店のルールを知ってもらうことで、トラブルの発生を防げます。


【外国人観光客との間で実際に起きたトラブル実例】

  • 「お通し」は無料ではない
  • 満席で店の外に並ぶ際、列に割り込む
  • 食べ物や飲み物を持ち込む
  • 複数名で一品しか注文しない
  • 大きい声で会話をする
  • 食事中に歩き回る
  • クレジットカードが使えない
  • ビュッフェで食べ残しが多い
  • 調味料や食器を勝手に持ち帰ってしまう
  • トイレの使い方がわからない

2.2 一目でわかるアイコンやピクトグラムを取り入れる

多言語でルールを説明するまでもないような案内は、図案化するのがおススメです。
アイコンやピクトグラムなどで、一目でわかりやすく伝えることができます。


【例】

  • トイレマーク
  • 非常口マーク
  • 非常ボタンマーク
  • 禁煙マーク
  • 喫煙マーク
  • 携帯電話禁止マーク
  • 撮影禁止マーク

2.3 多言語対応のメニューの作成する

アレルギーや宗教上禁止されている食べ物がある場合、料理に入っている食材や調味料の詳しい説明が必要です。説明表記不足で、食べてはいけないものを口に入れてしまうとトラブルに発展する可能性が高いです。多言語の表記のメニューを作成しましょう。
言葉が通じなくても伝わりやすい食材や料理の写真・絵などを入れると一目で理解してもらえます。

2.4 笑顔でコミュニケーションをとる

笑顔でコミュニケーションをとることは、接客の基本です。
英語、中国語、韓国語の簡単な挨拶や接客のお決まりのフレーズくらいは習得しておくことをオススメします。
笑顔で自国の言葉を使い、挨拶するだけで、気持ちの良いコミュニケーションをとることができ、トラブルに発展する可能性は低くなるでしょう。

2.5 SNSでお店の情報を発信する

最近の外国人観光客は、SNSで飲食店の情報収集をしています。
SNSを活用するメリットは、お店側の情報をタイムリーに発信することができます。
お店のルールやマナー、メニューなどを多言語で発信することにより、ダイレクトに情報を届けることができます。多言語対応が難しい場合は、まずは英語版から取り組み、対応言語を順次拡大していきましょう。

2.6 体調不良による緊急時の対応

外国人観光客がお店で食事をして体調が悪くなってしまった場合の緊急時の対応も想定しておきましょう。「お店で食事したものが原因か」、「もともと体調不良があり悪化したのか」、お店側では判断できません。慌てずに状況を確認し、適切な対応ができるよう準備を整えておくことが大切です。


【東京都で外国語対応可の医療相談先一例】

東京都保健医療情報センター 外国語による相談窓口
 電話相談 :03-5285-8181
 対応言語 :英語。中国語、韓国語、タイ語、スペイン語
 曜日・時間:365日対応 9:00~20:00
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/gaikokujin/interpreter/himawari.html

特定非営利活動法人AMDA国際医療情報センター 
 電話相談 :03-6233-9266
 対応言語 :英語、中国語、韓国語、タイ語、スペイン語、ポルトガル語、フィリピン語、ベトナム語
 曜日・時間:月曜~金曜 10:00~16:00
 https://www.amdamedicalcenter.com/

さいごに

いかがでしたか?外国人観光客が飲食店で起こすマナー違反とは?、トラブル防止対策を解説していきました。
訪日した観光客に日本の食事を楽しんでもらうためには、飲食店側の受け入れ対策が必要です。
トラブルに発展する前に事前にしっかりと準備し、外国人観光客をお迎えしましょう。

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BrancPort税理士法人