一般的に美容室は技術と接客サービスのスキルを上げて売上に繋げています。そしてもうひとつ収益源として成り立っているのが店販です。現在では多くの美容室やエステサロン、ネイルサロンなどで店販を取り入れています。
サロンワークの一環として店販に力をいれている理由は多数存在しています。
ここでは美容室で働く髪のプロだからこそできる店販の売り方や注意点などを解説していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.美容室の店販とは
店販とはお店で商品を売ることを言いますが、美容室ではシャンプーやトリートメント、スタイリング剤などヘアケア用品を販売しています。また、物を販売することを物販と言いますが、店販というのは美容室(美容業界)特有の言い方をしているようです。
なぜ施術以外の収益を目的とする店販を取り入れるのか以下のようなことが挙げられます。
- 客単価が上がる
- 集客・リピーターに繋げる
- 顧客満足度の向上
- 専門知識を活かした説明で信頼度が高くなる
店販を導入することで客単価がUPし、売上に結び付くという仕組みになっています。
しかし、店販品はお客様の必要とする商品を提案するとともに良好な関係を築くことも目的としています。お客様に商品の価値を見出してもらえる提案力で信頼度が高くなります。やがてはリピーターとなり、口コミの拡散といった動きが見られるようになります。
店販には必要不可欠な要素が多く含まれていると考えても良いでしょう。
2.髪のプロが店販でやるべきこと
物を販売するとういうことは、売り方のコツさえ掴めば売上UPに繋がる可能性が大いにあります。特に専門に特化した美容師は髪の知識を取得した上で技術やサービスを提供しています。美容・髪のプロである美容師(美容室)にお客様は安心して施術を任せています。
ここでは店販で売上に繋げるための美容師がやるべきことを紹介しましょう。
2.1 信頼関係を築く
お客様との信頼関係を築くことができれば、すすめられた店販品に関心を持ってくれます。安定した技術力とサービスはもちろんですが、プラス要素として店販するために信頼関係を構築することが大切です。
美容師ならではの専門知識を活かし、的確な提案・アドバイスをすることで安心感が生まれ、信頼関係が築きやすくなります。
2.2 お客様の要望・悩みを知る
実はお客様はヘアケアの悩みや要望に応えられる商品を知りたい、そしてプロ目線の提案や指導を受けたいと思っている方も少なくありません。
そのような要望に応えるためにもお客様の髪の状態を知り、どのような商品を提案すれば良いか把握するようにしましょう。髪の状態に沿ったヘアケア用品をおすすめすることで、お客様が関心を持ち始めてくれます。
また、髪の悩みや要望に応えられるヘアケア用品を紹介する時にも効果的な使用方法を説明することで購買意欲が高くなります。ただし、全てのお客様に同じ商品をただ売るだけではなくお客様一人ひとりに合ったヘアケア用品を提案するようにしましょう。
なりたいヘアスタイルに耳を傾けてアドバイスをしてくれる心強い美容師として安心感が生まれます。
2.3 実際に体験をしてもらう
商品を購入する前に実際に試してもらうことで効果を実感しやすくなります。
たとえば最後の仕上げに使用するスタイリング剤をアピールしたいとき、先ず試しても良いかの確認をとります。そして商品のポイント・効果力などの説明をしながら実際に体験してもらいます。最後に商品の使用を続けることでどのような効果が得られるかを細かく伝えます。体験してみて使用感が良ければ購入したいという気持ちになります。
もしその時に買わなくても、試すことで印象付けることができ、次回の来店時に購入してもらえる可能性が高くなります。
2.4 目的に沿った商品アピール
美容室の来店目的はキレイになるためですね。
美容室で売られている商品は市販にはないものが多く、特別なものと感じているお客様も少なくありません。商品の価値を見出させるのも美容師の売り方次第で決まります。
また、お客様の目的に合わせた提案をすることで商品価値の共有ができます。
目的に沿った売り方は、さりげなく商品の名前を含ませた会話から提案してみてみると良いでしょう。
2.5 キャンペーンを取り入れる
リピーターの誕生月や春・夏の感謝祭などのフレーズで「○○商品セット購入で10%OFF」
といったキャンペーンを取り入れても良いでしょう。情報伝達は店頭に貼るポスターや
SNSを活用します。店販を利用した新規顧客獲得の狙いも含めた戦略に繋がります。
3.店販するときの注意点
店販の目的は、もちろん売上UPに結び付けるためのひとつです。
ここでは失敗しないために店販の注意点を幾つか挙げてみたいと思います。
- お客様の美容・ヘアスタイルのお手伝い:商品を売るためにお客様の悩みや要望を聞くのではなく、悩み解消・要望に応えるために商品を提案することを意識しましょう。最終的に購入する・しないの判断はお客様が決めることですが、店舗側は必要としている商品の関心度を引き出すキッカケづくりを忘れずに。
- 押し売りのような提案は避ける:店販品を提案するとき、強引に買ってもらおうと必死になっていると逆効果になります。お客様は売りたい一心で商品をすすめていると察することができ、最初は商品に関心を持っていても必要以上に接すると冷めてしまいます。押し売り的な接客は売上UPだけの目的というのが伝わってしまいます。特に2~3回リピートしてもらっているお客様は二度と来店されないことが多くみられます。目的に合わせた商品をすすめても興味を示してくれない場合は、一旦引いてみて商品のチラシなどを渡してあげるだけでも良いです。
- 店販品の知識を得る:店販品を理解していないと自信を持ってお客様に紹介できません。商品に入っている成分がどのような効果をもたらしてくれるのかなどの特徴を踏まえた上で説明することが必要です。また、自分自身や他のスタッフが使った商品の使用感などの意見を伝えるなどしても良いでしょう。更に使い続けることのメリットなどの参考表現をしましょう。
4.店販は視覚からも伝える工夫を
店販はお客様の目に留まる場所に配置しましょう。視覚からの情報を意識することが大切です。ここでは商品の見せ方などを紹介します。
〈ディスプレイする場所を意識する〉
- レジカウンター付近に配置する:レジカウンターは会計時に必ず目に留まります。お客様の目線の動きに沿った場所に配置することを意識しましょう。目立つ場所に置くことで施術中に商品のアピールをした商品の訴求に繋がりやすいです。
- 鏡の前に置く:商品と一緒に小さなPOPでわかりやすいキャッチコピーを書いて一緒に置くと目に留まりやすいです。レジ前と同様、鏡前は必ず見ます。また、お客様の近くに商品があると手にとることができるので、美容師はさりげなく会話ができるようになり店販できます。
〈商品のデザイン性を目立たせる〉
- 目を引くデザイン性:商品は見た目で決まるわけではないのですが、「珍しい形状・色」「かわいいボトル」などはどうしても目を引きますね。仕入れ段階からデザイン性だけを重視することは難しいですが、先述したように商品を強調できるミニPOPを置き、お客様の悩みを応えられるような内容で記載すると商品に興味を持ってくれます。
- 商品を引き立てるために:品質が優れているのにシンプルなパッケージのため目に留まらないということもあります。とても勿体ないことですね。その際は美容師の会話術が重要になってきますが、商品の引き立て役となる照明やポスターにも強化してみましょう。言葉にはない視覚からのインパクトが感じられます。
さいごに
いかがでしたでしょうか。お客様が必要とされている商品を理解していれば、その価値を見出してもらえる提案ができます。また、売ることだけに集中するのではなく、髪のプロならではの知識を活かした上手な勧め方が売上の貢献につながります。
店販品に興味を持っているお客様は少なくありません。髪(美容)のプロである美容師が提案することで更に興味を持ち、喜んでもらえるような販売を心がけましょう