【飲食店開業に必要な資格】食品衛生責任者の資格取得方法と注意点

  • 飲食店を開業する際に必要な資格を教えてほしい。
  • 食品衛生責任者の資格取得方法を知りたい。
  • 食品衛生責任者の資格取得後の注意点は?また、取得するとどんな利点がある?

食品衛生責任者の資格について、上記のような悩みや疑問をお持ちの方が多くいらっしゃいます。飲食店を開業するにあたり、食品衛生責任者はお店に1人いれば運営が可能です。国家資格ではありますが、決して難しいわけではなく講習をきちんと受講していれば取得が可能です。
この記事では、飲食業に携わる人に必要となる食品衛生責任者の資格について解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.食品衛生責任者とは?

食品衛生責任者とは、飲食店や食品を扱う販売店、食品製造施設など営業許可施設ごとに1人専任の設置が義務付けられています。たとえば、チェーン展開している飲食店で全店舗を取りまとめる1人の責任者が資格を取得すればいいのではなく、営業許可が下りた各店舗に1人の食品衛生責任者の資格保持者が必要となります。ただし、調理師や栄養士、製菓衛生師などの資格をお持ちの方は受講が免除されます。食品衛生責任者とは、どのような役割が与えられているのか幾つかまとめてみました。

  • 各施設において食中毒や食品衛生法違反などを起こさないように管理を行う
  • 従業員の健康管理を行い、体調不良があった者には休暇の指示をする
  • 調理場の設備等の点検や食材の保管場所での衛生面のチェックを行う
  • トイレなどの清掃チェック表(衛生管理票)を作成する

衛生面のチェック業務は飲食店にとって基本です。もし衛生チェックを怠って、お店で食中毒が発生してしまったら営業停止となってしまいます。そうならないためにも有資格者が正確な衛生管理を行うことが重要です。

2.食品衛生責任者の資格取得方法

資格の取得方法は、各都道府県の食品衛生協会が主催する「食品衛生責任者資格取得養成講習会」を受講することで取ることができます。
ご参考まで⇒一般社団法人東京都食品衛生協会

・受講資格者:年齢は17歳以上(高校生除く)であれば受講可能です。また、外国人の方は
日本語の読み、書き、会話ができ特別永住者証明者をお持ちの方であれば、受講は可能
です。

・養成講習会申し込み:食品衛生責任者養成講習会は定期的に月数回ほど開催しており、
会場も複数あるので自分の受けやすい場所を探し受講すると良いでしょう。尚、多く場
合が郵送または直接窓口の申し込みになっており、先着順となるので定員に達し次第締
めきりとなります。申し込みをする際には残席を問い合わせてから申し込むと良いでし
ょう。

・受講費:一律10,000円で、当日会場で納めます。

・受講内容衛生法規(2時間)、公衆衛生学(1時間)、食品衛生学(3時間)の3つの科
目で合計約6時間
となります。最後に小テストも含まれていますが、この講習はきちん
と受講していれば、ほとんど回答できる内容です。

・受講が免除される:管理栄養士や調理師、食品衛生管理者などの有資格者は受講が免除
されます。(自分が免除の対象になるか判断し兼ねる場合は、食品衛生協会に問い合わせ
してみましょう)

1日の養成講習が終了すると食品衛生責任者手帳が交付されます。
講習終了後に食品衛生責任者手帳が交付され、これが食品衛生責任者修了書になります。

3.食品衛生責任者の資格取得後の注意点

晴れて食品衛生責任者の資格を取得したものの、証明書を紛失してしまったあるいは破損してしまったなんてこともよく耳にします。ここでは取得後の注意点などを解説していきます。

3.1 受講修了書を紛失または破損した

食品衛生責任者手帳(受講修了書)を紛失あるいは破損してしまった場合は、再交付申請が必要です。
手帳には個人の番号が記載してありますが、何らかの理由で再発行が必要になった時にその番号が求められるので控えておきましょう。また、再交付の手数料、送料として2,100円の費用と現住所が記載されている運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーが必要になります。
申請方法の詳細はこちらまで⇒受講修了書再交付(東京都食品衛生協会のHP)

3.2 食品衛生責任者の変更または記載事項の変更

店舗で働いていた資格取得者が退職して新たに責任者になったあるいは氏名が変更したなどの場合は以下の手続きが必要となります。

○食品衛生責任者が変更した場合
新しく食品衛生責任者に変更する場合は、責任者となる方の資格証明書(調理師免許、食品衛生責任者受講修了証明書など。写し可)を持参の上、保健所へ提出します。

○記載事項の変更(氏名等変更)した場合
氏名の変更は戸籍抄本と手帳を用意し、自分が受講した協会へ申請します。その他の事項変更・訂正などは、その事実を証明できる書類と手帳を用意して受講した協会へ申請します。変更手数料は自治体によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

3.3 食品衛生責任者の更新は必要?

食品衛生責任者の資格は有効期限を設けていないため更新は不要です。
一度取得したら永久的に有効です。ただし自治体によっては、定期的に行われる実務講習の参加が義務付けられているので、事前に確認しておきましょう。

4.食品衛生責任者は重宝される

飲食店の開業以外に食品に携わる企業に就職を希望する場合、食品衛生責任者の資格保持者は歓迎されることが多いので、事前に資格を取るのも一つの方法です。製菓、食品製造など業態問わず、食に関わる職場であれば保持者は有利です。外食産業にとっては大切な人材で、資格の有無によって給与などの待遇に影響を与えることもあります。1日の講習で永久的に資格保持者となるので、知識を身に付けるためのも一度講習を受講してみるのも良いでしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回の記事は食品衛生責任者の資格について解説しました。
食品衛生責任者は1日の講習を受講すれば取得できる資格です。食を扱う仕事の価値は、料理の提供だけではなく、食の安全・安心といった衛生面にも深く関わっています。是非“食のプロ”として知識も得られる食品衛生責任者の資格を取ってみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人