歯医者の診察室は完全個室?セミオープン?それぞれの違いと知っておきたいメリット・デメリット

歯医者に来院すると、先ず入り口に入って待合室で診察・治療するまで待機します。
順番になると診察室のドアを開け、スタッフまたは歯科医師が対応します。
このドアの向こうには完全個室・半個室またはオープン・セミオープンといった4パターンがあります。今回は、診察室において増加中の完全個室と、最も多いセミオープンタイプを取り上げて、それぞれの違いやメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
スペースデザインを変えたい、あるいはこれから開業する方には、ぜひ参考にしてみてください。

1.歯医者による完全個室とセミオープンの違い

歯医者の診察スペースには個室とセミオープンタイプがあります。
完全個室は完全に独立したスペースで、セミオープンは広い一室スペースにユニットごとに小さなパーテーションなどで仕切られている状態です。
完全個室とセミオープンの大きな違いは「視認性」「遮音性」「通気性」にあります。


〈視認性〉

  • 個室⇒確立した仕切りによって視界を遮る設備。患者さんは落ち着くが、医院側ではスタッフの状況が確認できない。
  • セミオープン⇒簡易的なパーテーションなどに仕切られているため、診察室に入ってきた患者さんの視線を感じることがある。

〈遮音性〉

  • 個室⇒防音性の高い建材を使用することで周りからの音は遮断される
  • セミオープン⇒ユニットごとの仕切りはあるが、一室空間と同じスペースのため周りの話し声や雑音などが聴こえる

〈通気性〉

  • 個室⇒完全に壁に覆われているため、ウィルス感染などの影響は少ない
  • セミオープン⇒スペースが広いのでウィルス感染などの予防対策を検討する必要がある

2.完全個室によるメリット・デメリット

近年、歯医者による診察室の完全個室が増加していますが、ここではメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

2.1 メリット:①プライバシーの確保

オープン型(仕切りが一切ない)またはセミオープンの診察室では、隣で患者さんがどんな治療をしているのか、医師との会話が聞こえてくる可能性があります。お口の悩みや治療方法などを知られたくないと思っている患者さんは決して過剰反応ではなく、感じていることが多いはずです。
そうした患者さんの思いを配慮して個室を取り入れることで、プライバシーを守れることができ、患者さんが安心して受診できます。
歯医者を好まない患者さんは少なくありません。仕切りでプライバシーを確保されている個室であれば、余計な不安を取り除くことができます。

2.2 メリット:②リラックスできる

個室の空間は医師と患者さんにおいて、周りの雑音や視線を気にすることなく対応ができます。そのためリラックス感が互いに伝わります。

〈患者さんのメリット〉
他の患者さんの目を気にせず、リラックスできるので医師にどんなことでも相談ができます。また、歯医者特有の機器で削る音などが聞こえないので、恐怖感が軽減されます。リラックスして受診ができるため、どんな些細なことでも医師に質問ができます。

〈歯医者側のメリット〉
個室は一人ひとりと向き合えるので、患者さんからの質問に対して丁寧な対応ができます。また、患者さんがリラックス状態であれば、医師も集中して治療することができます。

2.3 メリット:③コミュニケーションの活発化

個室は患者さんにとって安心して治療が受けられると感じていることが多いです。安心感が得られるということは風通しの良い環境である、つまり医師とのコミュニケーションの活発化が期待されます。

〈患者さんのメリット〉
個室であれば周りを気にせず、コミュニケーションを自ら取ろうとします。よって医師との信頼関係を気付くことができる反面、合わないと判断ができるのも患者さんにとってはメリットです。

〈歯医者側のメリット〉
コミュニケーションを図れるということは、患者さんの状況に合った綿密な治療計画を立て、伝えることができます。

2.4 デメリット:①スタッフの分散

個室のメリットは多数ありますが、デメリットも存在しています。

  • スタッフ間の連携スタッフの移動範囲が大きくなるため、声が届けにくく素早い連携は難しくなります。
  • 診察室が分散されているため、スタッフが今何をしているのかなどの状況が把握できません。
  • 医師または他のスタッフにヘルプが欲しいという時のフォローに時間がかかってしまうことがあります。

2.5 デメリット:②コストの問題

セミオープンタイプに比べて、個室は機器等を設置する台数に限りがあります。
一部屋ずつ治療道具の保管、器具器材などの用意をしなければならないので、コストも割高になる可能性があります。
また、壁やドア、空調の取り付けなど工事が増えていくので、その分コストがかさみます。

3.セミオープンのメリット・デメリット

歯医者のなかでも最も多いのがセミオープンタイプの診察室です。ではここでもメリット・デメリットをみていきましょう。

3.1 メリット:①開放感と明るさの確保

セミオープンは待合室から診察室までにドアが一つで、部屋に入ると治療スペースが数台設置されており、人の動きも視界に入ります。広々とした空間に治療スペースごとに小さなパーテーションで区切られているだけなので、風通しがよく明るさを遮ることはありません。
開放感のある空間によって明るさを感じ、患者さんは安心感を得られます。

3.2 メリット:②目配りや連携

患者さんはもちろん、他のスタッフ・医師の動きが把握できることがメリットです。
広い空間に居る人たちには、周囲の状況に注意を払いながら移動したり、作業することができます。

〈患者さんのメリット〉
治療室に入ると周りの状況が把握でき、スタッフと医師の連携がとれている様子も見られるので良いイメージが得られます。また、介助を必要とする高齢の方などには、スタッフの目配りで直ぐに対応してくれます。

〈歯医者側のメリット〉
周囲を見渡せるので、治療や患者さんの様子を伺えることが可能です。医師にとってもスタッフに素早く支持ができるので連携がとれます。

3.3 メリット:③初期コストが抑えられる

セミオープンは個室のように壁やドアの設置がないため、工事費用がかかりません。また、配管工事のことも考えると、コストが抑えられます。
その分小さなパーテーションを大きなものに変えたり、目隠しのためL字型のパーテーションを設置したりする工夫ができます。

3.4 デメリット:①遮音はしきれない

セミオープンは先述した通り、ユニットごとに簡易的なパーテーションで仕切られているのみです。視界に入ることはもちろん、話し声や器材の音などが直接耳に入ってきます。

〈患者さんのデメリット〉
治療している様子や医師との会話による治療計画などが隣の患者さんに聴かれてしまうという不安が募ります。

〈歯医者側のデメリット〉
器材・器機の音や話し声など、雑音が耳に入っていると、医師の集中力が途切れてしまう可能性があります。

3.5 デメリット:②プライバシーの確保が難しい

隣の患者さんの顔までは見られなくても、気配はなんとなく伝わります。したがって自分の存在にも気づかれ、医師への相談事や治療方法なども聴かれてしまいます。
特に患者さんによっては医師への質問を躊躇してしまう方もいらっしゃいます。

セミオープンタイプの診察室は、治療チェアの距離が近いことが多く、会話の内容まで聞き耳を立てなくてもよくわかります。
歯医者側は、患者さんのプライバシーを守るための工夫をする必要があります。

さいごに

いかがでしたか。診察室の完全個室とセミオープンの違いとメリット・デメリットを解説しました。近年、歯医者は完全個室が増えているなか、未だセミオープンタイプが過半数を占めているのが現状です。実は、患者さんにとってのメリットは個室、歯医者側のメリットはセミオープンといった差は多少なりともあるような気がします。
歯医者における全体のスペースや費用なども考慮した上で、どちらを採用するか決めると良いでしょう。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人