- 「患者さんからのクレームにどう対応したらいいかわからない」
- 「クレームが起こらないように予防対策をしたい」
- 「悪質なクレーマーにはどう対応したらいい?」
このようなお悩みや疑問を抱えている歯科医院経営者の声を多く聞きます。
歯科医院を経営していく上で、クレームを受けたことがない歯科医院はありません。
この記事では、クレームの原因を明確にし、大きなトラブルに発展しないように予防対策を解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.歯科医院でクレーム予防策は必要?
歯科医院は「安心」「安全」を提供し、患者さんとの信頼関係でつながっています。
患者さんが歯科医院に対して少しでも疑問や不安に感じられた場合、不満が生じクレームが発生してしまいます。
クレームの対処方法を誤ると、口コミで悪い評判が広がる可能性があり、歯科医院の経営にも大きな影響を与えてしまうことになるので細心の注意が必要です。
クレームが起こらないよう予防策や初期の段階で解決する対処方法を習得しましょう。
この記事では歯科医院で起こるクレーム予防策や対応方法について解説してきます。
2.クレームが起こる原因と対策方法を解説
クレームが起こるには原因があります。
その原因を明確にし、対策方法を把握ておくことでクレーム発生予防につながります。
歯科医院でよくあるクレームと対策方法を解説していきます。
2.1 医師やスタッフの態度が悪い
歯科医院でのクレームの多くは患者さんへの対応です。
どんなに治療の内容が良くても、歯科医師やスタッフの態度が悪いと、その歯科医院は悪い印象しか残りません。
態度や身だしなみに関するクレームは、意識することで予防できます。「身だしなみ」「言葉遣い」「表情」「行動」など、患者さんが不快に感じるような態度をしないよう気を付けることが重要です。
2.2 待ち時間が長すぎる
歯科医院は基本的に予約制ですが、前の患者さんの治療が長引けば次の患者さんを待たせてしまうことも多々あります。予約をしたのにもかかわらず、待ち時間が長いことに不満を感じる患者さんは多いでしょう。待ち時間がある場合は、患者さんに催促される前に事情を伝えることがクレームに発展しない重要ポイントです。
例:「前の患者さんの治療が長引いているので10分ほど遅れてしまいますが、よろしいでしょうか。」「予約の時間通り来院頂いたのに、お待たせしてしまって申し訳ありません。」
このような説明が事前にあるだけで、患者さんは理解し、納得して頂けます。
注意したいのが、事後に説明した場合は、「言い訳」に感じられるので、事前に説明するようにしましょう。
2.3 設備に対するクレーム
設備に対するクレームは、清掃清潔に対することが多いです。
待合室、診察室、トイレが汚れているなど、患者さんは汚れが目に付くものです。
院内は、常時清潔を保つようにこまめに清掃するよう心がけましょう。掃除忘れなどないよう「清掃チェックシート」を作成し、スタッフ間で清掃当番を決めることで改善されます。
また、院内がバリアフリーになっていないなど、設備の古さが目立つものに関しては、改善を検討することが大切です。
2.4 治療に対するクレーム
治療に対するクレームも歯科医院で多く発生するクレームの1つです。
治療が乱暴で痛い思いをした、不必要に思う治療を説明なしにされた、説明がなく抜歯された、など、治療内容に関する不満は大きなトラブルに発展する可能性があります。
治療に入る前に歯科医師から治療内容を丁寧に説明し、患者さんに納得してもらってから治療を行うことが大切です。大きなトラブルになり、損害賠償や金銭で解決することは避けましょう。
3.クレーム対処方法を流れで解説
歯科医院で起こるクレームの対応はスムーズに解決するために対処方法のStepを把握しておくことが大切です。その場しのぎで謝罪するだけでは患者さんは納得してくれません。
クレームが発生した時の対応をStep1~5の流れで解説していきます。
- Step1.患者さんが不快な思いをさせてしまったことに対して謝罪する・・・起こったクレームの内容に謝罪するのではなく、患者さんが不快な思いをさせてしまったこと対して謝罪しましょう。
- Step2.クレームの内容を親身に聞く・・・どういったことに対して不快にさせてしまったのか、患者さんの話を最後まで聞いてから対応しましょう。患者さんに寄り添いながら親身に聞くことがポイントです。クレームの内容にもよりますが、患者さんが全て話した時点で満足し解決してしまうケースも多いにあります。
- Step3.なぜ起こってしまったのか原因を説明する・・・なぜ起こってしまったのか原因を丁寧に説明しましょう。患者さんに非があったとしてもそれを責めることは避けてください。
- Step4.解決策を提案する・・・患者さんが不満に思う内容が改善できるようであれば、解決策を提案しましょう。※患者さんから話を聞いてその場で解決できないと判断した場合は、歯科医師やスタッフ責任者に対応を代わってもらうことが大切です。
- Step5.再度謝罪とお礼の言葉を伝える・・・同じことを二度と起こさないことを誓い、再度謝罪をしましょう。患者さんに安心感を与えることができます。最後にクレームを指摘してもらえたことに対してお礼の言葉を伝えましょう。
4.クレーム対応で3つの注意したいこと
4.1 言い訳はしない
患者さんからクレームがあった時、言い訳をしてしまうと問題がさらに大きくなる可能性があります。
言い訳や反論は、患者さんは歯科医師やスタッフに対して敵対心を抱くようになり、問題解決が非常に困難になるので注意しましょう。
4.2 迷惑そうな態度や嫌そうな表情をしない
患者さんからのクレームを聞く時、迷惑そうな態度や嫌そうな表情をしないように気を付けましょう。
不快な態度や表情は、また別のクレームに発展する可能性があります。
4.3 使ってはいけないNGワード
クレーム対応する時、使ってはいけないNGワードがあります。これらの言葉を使うと患者さんの怒りが増す危険性があります。感情的になると事態は増々大きくなり、悪い方向へ向かってしまうので注意が必要です。
■NGワード一覧
「でも・・」
「だって・・」
「ですから・・」
「絶対・・」
「普通は・・」
5.理不尽で悪質なクレームにはどう対応したらいい?
クレームの中には理不尽で悪質なクレームもあります。脅迫、暴言、乱暴や金銭の要求などの常識ではありえないようなクレームは、歯科医師やスタッフが全て対応し、その場で回答することは避けてください。悪質なクレームは、自分たちで解決しようとするのではなく、弁護士や警察など第三者に相談するようにしましょう。
また、悪質なクレーマーに対応したスタッフは、精神的に不安定になり、その後の職務にも影響がでる場合があります。事前にスタッフ同士でロールプレイングなどを行い、ある程度慣れしておくことが大切です。
さいごに
歯科医院はクレームが起こりやすい業界と言われています。予防対策と対処方法をしっかり把握しておくことが大切です。普段から歯科医師やスタッフ間でクレーム対応の確認をしておくと、いざという時に慌てずに対応できるでしょう。クレームが起こる原因は患者さんとの信頼関係の有無が大きく左右します。
普段から患者さんと良いコミュニケーションをとるように心がけクレームの少ない歯科医院を目指しましょう!