なぜ歯医者でBGMが求められるのか?!音楽が人の心と身体に影響を与えている

歯医者が苦手と感じている人は少なくありません。特に「キーン」といった歯を削る音や伝わる「振動」を想像しただけで痛いと感じることがあるとよく耳にします。
少しでもそのネガティブなイメージを緩和させてくれるのが、歯医者で流れているBGMです。今回は、歯医者のBGMの効果や注意点などを解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.BGM効果とは

物販店や飲食店など多数の店舗でBGMを流しています。目的は購買意欲を高めたり、回転率を上げたり、雰囲気づくりのためなどさまざまです。
その他、医療機関者でもBGMを流していることが多く、無意識に耳にしている人も多くいらっしゃると思います。この場合、サービス業による目的の購買意欲や回転点率アップとは異なっていますが、心理的効果を与えるという意味では同じです。
歯医者にでもBGMを流れていることが多く、さまざまな効果があり患者さんなどにも影響を与えています。

  • 自律神経のバランスと生活リズムを整える
  • BGMのリラックス効果によって健康面でもメリットがある
  • 不安や精神的ストレスを和らげる
  • BGMで痛さ(歯痛など)を感じる恐怖感を掻き消すことができる

多くの人が歯医者は苦手意識を持っているかと思います。しかし、上記の効果をみても、音楽は人の心に大きな影響を与え、身体もリラックスした状態へと誘導させてくれます。BGMは確かな効果があると言えるでしょう。

2.歯医者で流れるジャンル別BGM

歯医者では主に待合室(トイレ含)と診察室でBGMを流しています。
特に待合室で診察・治療を待っている間は、緊張感を感じてしまう人が多いようです。その状態を和らげるBGMは、視覚と同じようにリラックス音が脳へ伝わり身体に良い影響を与えます。
BGMのジャンルは数多くありますが、それぞれどのような効果があるのかみていきましょう。以下は多くの歯医者に流れているBGMです。

①オルゴール調
オルゴール調の音色は心が疲れた時に聴くと落ち着きます。
リラックス状態になるので、不安や緊張感を取り除くことができます。

②クラシック
クラシック音楽は定番の曲でリラックス効果があります。
心拍数や呼吸の調整はもちろん、歯痛を抑えることが期待できるので多くの歯医者で流しています。ソロのピアノやギターの小編成曲は気分を落ち着かせてくれます。そのなかでもモーツアルトの曲は癒し効果があると言われています。

③ヒーリングミュージック
クラシックと同じくヒーリングミュージックも定番の音楽で、ストレスや不安を和らげてくれます。
自然音であるヒーリングは安心感を与えるので、診察室にも流れていることが多いです。

④Jazz・ボサノバ
洋楽のなかでもJazzやボサノバはおしゃれな空間づくりと、ストレスを緩和させてくれます。軽快なリズムと柔らかなメロディーが心地の良いボサノバ、脳をリラックスさせてくれるjazz、両方の曲を状況に応じて使い分けしてもよいでしょう。

⑤J-POP・その他
J-POPはオーナーの趣味で流していることもありますが、J-POPなどをBGM調に編成された曲を待合室に流していることもあります。馴染みのある音楽を流し、知っている曲であることを患者さんの脳に働きかけ、待ち時間の短縮を感じさせる効果が期待できます。  

3.BGMを流すときの注意点

歯医者で流れているBGMはさまざまな効果が働いており、患者さんに大きな影響を与えています。しかしながら、どんな音楽を流してもいいということではなく、不安や恐怖を和らげるBGMであることを目的としています。また、メジャーな曲で待ち時間の短縮を感じさせるなどさまざまな工夫をする良いでしょう。
ここでは、BGMを流す時の注意点を把握しておくことで、効果が数倍得られるので紹介したいと思いま。

3.1 音量調整

歯医者では幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいます。小さな子供の鳴き声、患者さん同士の話し声、高齢のためBGMが大きすぎて名前を呼ばれても聞こえないなど、音(声)が邪魔していることがあります。これらは人の声を含むBGMの音量も原因のひとつです。BGMの音量を調整することで耳に入ってくる不快な状態は軽減されます。

  • 患者さんの名前を呼ばれても聞こえる程度のBGM音量調整
  • 周囲の声・音とBGMのバランスを考える
  • 周りの声(ノイズ)などが気にならないような音量にする

BGMを流すことは簡単ですが、音量の調整は難しくもあります。周囲の状況によって音量の調整を心がけるようにしましょう。

3.2 スピーカーの位置確認

スピーカーはBGMが院内全体に聞こえるようにする機材のことです。
インテリアや壁掛け装飾、照明などのデザイン性を重視したいためにスピーカーを置くスペースがないと思われている方も少なくありません。意匠に馴染むデザイン性、天井に埋め込むスピーカーなどもあるので、空間に合ったものを選ぶと良いでしょう。
また、スピーカーの音は2通りの方向性によって聴こえ方が異なります。下記の方向性を把握した上で、設置場所を確保しておく必要があります。

  • 正面に向かって直接聴こえる(強い音)
  • 壁や天井に反発することで音が聴こえる(弱い音)

待合室で患者さんのいる場所とスピーカーの音がぶつかってしまうと、うるさいと感じるので院内環境を考慮し、音の方向性を確認しながらスピーカーを配置しましょう。

3.3 BGMの目的を再確認

一般的に歯医者で流れているBGMは、クラシックやヒーリングなど不安や恐怖感、歯痛などストレスの緩和が目的とされていることがあります。その他、先述したように待ち時間を短く感じさせる曲のJ-POP、リズム感のある優しいJazzやボサノバなどを流すなど、選択肢は多々あります。
もちろん経営者の趣味で好きな音楽を流していることも皆無ではありません。患者さんにとって聞いたことのない曲が心地よくなり、音楽に集中して治療に対しての不安が除かれるケースもあります。

最近では待合室にテレビやビデオ映像が流れている歯医者が多くなりました。
患者さんは、テレビやビデオに気をとられて治療への恐怖感が無くなると言われています。BGMの役割も同じで、自然と患者さんの心を無にしてリラックス感あるいは興味をもてるような方向性に誘導させてくれます。
歯医者のBGMの目的を再確認することで、好印象につながることが考えられます。

4.BGMで業務効率化

歯医者でBGMを流す目的は、先述した通り緊張感を和らげリラックス感を与えるなどです。音楽の力は無限大に多くの人に与える影響が大きいです。耳に入ることでネガティブな感情が軽減する働きがあります。
しかし、逆の作用もあり、ほとんどが音量の不調性「うるさい」、そして院内空間に合っていない曲で「違和感」が生まれてしまうこともあります。
患者さんが落ち着いて治療・診察できる状況を優先に考えることが大切です。
また、BGMは患者さんだけではなく、働くスタッフなどにもBGMの影響を与えます。

  • 院内の雰囲気が良くなることで緊張を和らげる
  • 人間関係での不和やイライラがあってもBGMが和ませてくれる
  • BGMの聴こえてくるリズム感が自然と業務の集中力をアップさせる
  • リラックス効果があるため、仕事の質が高まる

最近では歯医者だけではなく、一般企業でもBGMを流していることが増えてきています。
業務に行き詰まりを感じた時に、BGMがモチベーションを上げたり、気分転換になると考えられています。
歯医者のBGMは患者さんに与える影響だけではなく、働いているスタッフの業務効率化にも繋がります。

さいごに

いかがでしたか。BGMはさまざまな店舗で流れています。歯医者で流す目的は患者さんの不安やストレスを除き、そしてスタッフへの業務効率化のために使用していることが多いです。患者さんや院内全体に優しく、理想的な院内空間を作り出すためには、自院に最適なBGMを選曲すると良いでしょう。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人