歯医者はドタキャン率が高い!?キャンセル防止策と事後対応を解説

歯医者に通っている患者さんが止むを得ない状況でキャンセルをするということはよくあります。しかしながら、何も連絡なく当日来なくなったという患者さんも少なくありません。ドタキャンや無断キャンセルは、確保していた時間帯に空きが生じてしまい、人員が無駄になったり、スケジュール的にも大きな影響がでてしまいます。
こうしたことから、ドタキャンに対する対処法や防止策を検討されている歯医者は少なくありません。ここでは、ドタキャンした時の防止策や事後対応などを解説したいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

1.歯医者のキャンセルはなぜ起こる?

ドタキャンと無断キャンセルは同じ意味だと捉われがちですが、明確な違いがあります。無断キャンセルは、当日何も連絡しないでキャンセルすることです。一方でドタキャンは直前にキャンセルの連絡をしたことを言います。ドタキャンの連絡日によって、予約していた時間に他の患者さんで調整可能だったりしますが、出来る限りキャンセルは減らしたいものです。
ここでは、歯医者のキャンセルは何故起こるか、患者さんの心情などを探ってみました。


▶急な体調不良などによるキャンセル
急な体調不良や用事ができたことで、予約キャンセルは止むを得ない状況にあります。この場合は予約変更を希望する患者さんがほとんどです。

▶予約を忘れていた
予約していたことを忘れてしまうほどの多忙な患者さんは少なくありません。それにより、予約日時に別の予定を入れてしまうケースが多くあります。

▶歯医者や治療に対するストレス
歯の治療による痛みが過去のトラウマや歯医者に対する不安・不信感からくるストレスでキャンセルしてしまうことがあります。

▶歯科医師や衛生士、スタッフなどに対する不満
1~2回は通院してみたものの、歯科医師や歯科衛生士の治療の説明不足による不信感、スタッフの無愛想な対応によるキャンセルもあります。居心地の悪さや不信感など不満を抱くようになってキャンセルに繋がってしまいます。

▶衛生面での不信感
患者さんによって異なる部分がありますが、治療する際に歯科医師が「グローブ(手袋)を着用しない」「器具を置くテーブルの汚れ」などの理由からキャンセルすることもあります。衛生面が疑わしい歯医者は、口コミで広がってしまいます。

2.ドタキャンセルが及ぼす影響とは

歯医者の予約キャンセル率は15%、そのうち無断キャンセルは5%程度といわれています。歯医者によって連絡有無のキャンセル率は異なりますが、いずれにしても経営の損失に繋がってしまいます。ここでは、キャンセルによって生じる影響を挙げてみましょう。

  • 売上損失➡1日の予定患者数とキャンセル(数)を割り出してみると売上減少に繋がる
  • 予約時間の損失➡予約時間にドタキャンが入ると、その日に希望していた患者さんの時間調整
  • 人件費の損失➡予約の時間枠が空いてしまうことで人件費が無駄になる

ドタキャンは、時間枠や売上などの損失に影響がでてしまいます。歯医者によって差はあるものの、年間を通してのキャンセル数は計りしれない状況にあります。

3.歯医者のドタキャンを防ぐ対策

ドタキャンは課題のひとつで、どうしたら防げるのか対策を検討している歯医者も少なくありません。キャンセル理由を把握した上での防止策を講じることで防ぐことは可能です。
ここでは、ドタキャン率を下げるためのキャンセル防止策を解説していきたいと思います。

3.1 治療方法などを丁寧に伝える

歯医者に恐怖感・苦手意識を持っている患者さんは少なくありません。そのため、不安と緊張感を持ちながら通院している人もいらっしゃいます。
そんな患者さんのために、治療の対象である恐怖感や緊張感を振り解いてあげましょう。
治療内容を丁寧に事前説明して、患者さんの不安を解消させてあげることが大切です。
そうすることで治療の必要性を把握し、心の準備まで整えられます。
また、説明をするときには以下の点を注意しましょう。伝え方を間違えると、患者さんのドタキャン願望に繋がってしまいます。

  • 患者さんが理解できるように専門用語は避ける
  • 分かりやすい言葉で、治療の流れを伝える
  • 説明後は患者さんに質問がないか聞く

技術力が確かなのはもちろん重要ですが、親切で丁寧に計画的な説明をしてくれることで、信頼関係を築き、ストレスも緩和されるのでドタキャンセルの防止策につながります。

3.2 キャンセルポリシーの掲載

ドタキャンを防ぐ対策の一つはキャンセルポリシーの掲示することです。
予約時間に大幅に遅れる、直前のキャンセル、そして無断キャンセル(ドタキャン)に対する注意事項です。初めて患者さんはホームページをみて来られる方が多くいらっしゃいます。どんな歯医者なのか隅々まで見ている可能性もあるので、以下の内容でキャンセルポリシーを掲示しましょう。

  • 連絡がないまま予約時間から○○分以上経った場合はキャンセル扱い
  • 予約をキャンセルする場合は、当日より〇日前に連絡する旨の掲載(急な体調不良以外)
  • 度重なる遅刻やドタキャンは、予約を断る可能性があること

キャンセルポリシーは患者さんに目を通してもらうためのものです。明確に伝えることが大切です。

3.3 患者さんへのリマインド

無断キャンセルの理由のなかで、「忘れていた」「行きたくない」などありますが、予約日の前日または2~3日前にリマインドすることで、ドタキャンの防止に繋がります。

  • SNS、Line、メールなどで、前日もしくは2日前ぐらいに自動リマインドする
  • 電話による確認(特に高齢者は、あまり必要としないSNSなどは見逃しやすい)

子供などは歯医者に対して不安や恐怖心を抱いているので、リマインドすることで親御さんの説得にも応じやすくなります。「行くことの大切さ(治療の楽しさ)」という意識を持たせるためにも、リマインドは必要でしょう。

4.ドタキャンや遅れてきた後の対応方法

ドタキャンにはタイプが幾つかあります。ここでは、ドタキャンした、または大幅に遅れてきた、などによる患者さんにどのように対応していけばいいのか、開設していきたいと思います。

■ドタキャンを繰り返す患者さん
何度も繰り返す患者さんは、何も気にせずドタキャンします。何度もしているうちに気軽にキャンセルができると思い込んでしまう可能性があります。治療中のキャンセルは患者さんへのリスクと、予約制でのキャンセルが与える悪影響を伝えることが大切です。
無断キャンセルの場合、時間を経過して電話を入れると良いでしょう。

■忘れていた患者さん
事前にリマインドしていても、ドタキャンしてしまう患者さんはいます。
多忙のため、忘れて他の用事を入れてしまう人が多いです。直前に連絡をくれる患者さんには、必ずその場で次回の予約に繋げるようにしましょう。

■大幅に遅れてきた患者さん
たとえば15分以上遅れた場合の医院側ポリシーを掲示していても、何らかの理由で大幅に遅れてくる患者さんはいます。
歯医者は30~60分を1枠として治療の設定時間をとっていることが多いなか、30分以上遅れてきた人には、残った時間での治療または予約の取り直しの提案をしてみましょう。

さいごに

いかがでしたか。ドタキャンは歯医者にとって大きな損失を及ぼします。なぜキャンセルしてしまうのか、その理由から紐を解くように、キャンセルの防止策を検討してみましょう。また、事後の適切な対応によってドタキャンを最小限に抑えられる可能性も大いにあります。今回の解説でドタキャン防止策の参考にしてもらえたらと思います。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人