エステサロンを開業するには、資金の調達などと並行してサロンに必要なエステ機器、化粧品や細かい備品など、準備すべきものがたくさんあります。特にエステ機器は高額なものが多いため、資金面が逼迫してしまう可能性も少なくありません。限られた予算内で効果を得られる機器で、自分が納得いくものを選びたいと誰もが思っていることです。今回は開業時や新しく機器の導入を検討されている方々に、導入方法のメリット・デメリットや選ぶポイントなどを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.業務用エステ機器の種類
エステサロンは施術の内容が多岐にわたり、部分的なものから全身くまなく行うものがあります。施術によって必要な機器は異なりますが、ここではフェイシャル用、ボディ用、フェイシャルとボディ兼用を中心に紹介したいと思います。いずれも価格が数十万~数百万円と幅広くありますが、どのような機能を重視するのか決めておくと良いでしょう。
・痩身機器
痩身効果が得られるキャビテーションやラジオ波(RF)といった業務用エステ機器があります。キャビテーションは超音波を発生させてお腹周りや脚、腕など部位の部分が短期間で痩せることができ、痩身エステには欠かせません。ラジオ波(RF)は基礎代謝を活発にして痩せやすい体質にします。
・脱毛機器
光で発毛組織にダメージを与える脱毛機器と、レーザーによって発毛組織を破壊させて脱毛させる機器があります。ただし、レーザーによる施術は、医療行為にあたるため医療機関のみで取り扱うことになります。エステサロンで取り扱っているのは光脱毛機器になります。
・美顔器
フェイシャルを施術する美顔器はエステサロンにとって欠かすことはできません。お客様の悩みに合わせた美容成分を導入して効果を得るイオン導入美顔器や表情筋に刺激を与えてリフトアップに効果的な業務用EMS美顔器などがあります。
※EMS美顔器は電気の刺激によって表情筋に刺激を与え、衰えにアプローチをかけます。
・複合型美容機器
複合型美容機器は1台で複数の機能を果たしてくれる万能機器です。光脱毛と光フェイシャル、キャビテーションとラジオ波など一度で施術を受けることができるので、施術の時間短縮に繋がります。ただし、故障などがあった場合は機器が使えなくなるので、代替の機器を設けておく必要があります。
2.エステ機器導入によるメリット・デメリット
サロンの開業時にエステ機器は必須アイテムのひとつです。また、新しく機器を導入する際にもサロンを経営していく上で大きな課題のひとつとなります。エステ機器は高額なものが多く高機能になればなるほど初期費用がかかります。現金で一括購入するほか、レンタル、リースといった支払い方法がありますが、サロンにとってどれが一番良いか検討する必要があります。ここでは、導入(購入)方法のメリット、デメリットを紹介したいと思います。
2.1 新品・中古品の機器を購入
エステ機器は新品と中古品があります。開業時には新しい機器を揃えたいところですが、予算の関係で中古品を購入されることもよくあります。新品と中古品の大きな違いは費用の差ですが、中古品に限っては保証制度やアフターフォローなどが付いているか確認しておかなければならないことが多々あります。
〈新品のメリット〉
- 最新機器導入が可能。新しい機器なのでメンテナンスや修理は比較的少なくて済む
- 保証付きなのでトラブルが少ない(保証適用外もある)
- 購入は1回の支払いで済む
- 新品なので性能が良く、集客が見込める
〈新品のデメリット〉
- 高い機器のため初期費用がかかる
- 固定資産税、動産保険料が発生する
〈中古品のメリット〉
- 安価で購入できるため初期費用が抑えられる
〈中古品のデメリット〉
- 保証期間が切れていることがあるため、故障した場合の修理は全額実費
- メーカーのアフターフォローやサポートが受けられない可能性がある
2.2 レンタルで導入
高額なエステ機器に関しては、なるべく初期費用を抑えたいという経営者が多いです。レンタルは、提供元であるレンタル会社が所有して機器を貸し出しています。レンタルによる導入方法のメリット・デメリットを把握した上で、検討されては如何でしょうか。
〈メリット〉
- 初期費用や保守費用が新品機器より抑えられる
- お試し期間(数か月程度から長期間まで)でレンタルが可能
- 固定資産税が不要
〈デメリット〉
- 最新のモデル機器は借りられないことが多い
- 長期間借りると割高になることがある
- リース料より料金設定が割高になる可能性が高い
2.3 リースで導入
リースとレンタルは借受けるという点が同じなので混同してしまいがちですが、契約期間の長さが大きな相違点になります。リースはユーザーの要望をもとにリース会社が一括購入して貸し出しをしています。
〈メリット〉
- 月々のリース料が一定なので費用の把握が容易になる
- 最新の機器導入が可能
- 長期間借りると割安になることが多い
- 固定資産税が不要
〈デメリット〉
- 中途解約は原則不可(仮に中途解約をすると残存リース料があった場合には解約金・違約金がかかる)
- リース契約後でも所有権はリース会社のまま
- 導入までの時間がかかる
3.エステ機器を選ぶ時のチェックポイント
上述で業務用エステ機器にはレンタル・リース契約あるいは現金で一括購入という選択肢があることを解説しました。支払い方法が決まったら、次は商品を選びます。エステ機器は高額なので経営に負担をかけず、サロンの施術用途に合うものを選ばなければなりません。ここでは、エステ機器を選ぶポイントとして5つ紹介します。
●本体価格
エステ機器を購入する際は、販売元(提供元)によって同じ機能を持つ商品でも価格の違い(値引き率など)があるため、比較しながら決めるとうにしましょう。ただし、価格が高いものが良いとは限らず、安くてもコストパフォーマンスの良いものもあるので、実店舗に直接出向いて目で見て触れて選ぶようにすると良いです。
●ランニングコスト
エステ機器本体以外に施術に必要な消耗品や電気代が発生します。ランニングコストの把握は必須です。一人当たりにかかる施術費用がどれぐらいかかるか算出する必要があります。レンタルやリース契約の場合は、毎月の支払い金額が一定のためランニングコストは把握しやすいです。
●デモストレーションの有無
導入前に操作方法や無料体験などのサービスを提供している販売元(製品)を選ぶと良いです。「効果が得られない」「操作方法が分からない」などのトラブル防止にも繋がります。
●保証制度
機器に不具合が生じた際にサポートをしてくれるかチェックしておきましょう。保証期間やアフターメンテナンスがあるのかなどは導入前に確認することが大切です。
●機能の多様性
サロン運営の用途に応じたエステ機器を選ぶことは基本ですが、顧客満足度を上げるために、ひとつの施術に対してプラス効果が出るようなものを選びます。他店との差別化を図ることも視野に入れてみましょう。
4.顧客ニーズ・サロンのコンセプトにあった機器導入を
業務用エステ機器は価格だけで判断して購入するのではなく、耐久性やどこの部分にどのような効果を与えるのかしっかりと見極めて選ぶことが大切です。また、どのような機能がついているのか把握することで施術メニューの幅も広がり、機器の価値を最大限に引き出すことができます。プロのエステテシャンによる技術や接客サービスはもちろんですが、お客様の悩みや要望に応えられる機器の魅力はとても大きいです。
サロンのコンセプトに合った機器でなければ購入しても意味がありません。必ずコンセプトに合ったものを選び、その機能に見合ったメニューを作るようにしましょう。コンセプトに合った機器を導入することで、顧客満足度がアップして集客にも繋がります。
さいごに
いかがでしたでしょうか。サロンで使用するエステ機器の導入方法や選ぶときのチェックポイントを解説しました。高額な機器を導入することは、サロン経営にとって重要な要素のひとつです。自分のサロンにあったものを選ぶことと同じように、経営していく上で費用面も重視しなければなりません。開業時や新しく機器を揃える前に、今回解説した導入方法や選ぶときのポイントなどを参考にしていただけたらと思います。