近年、飲食店を開業したいという方が増えていますが、「何から手を付けたらいいのかわからない」と思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。店舗探しから始まり、資金調達、そしてお店の営業に必要な備品まで準備をしなければなりません。
居抜き物件を引き継いでの出店以外は、全て自分で備品を揃える必要があります。
今回はオープン前に揃えておきたい食器・備品の選び方を解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.飲食店開業に必要な備品・食器とは?
飲食店を開業するにあたって、やるべきことがたくさんあって何から始めたらいいのか分からないという方が多くいらっしゃいます。資金調達から立地の検討、人材確保、お店で使用する厨房備品や消耗備品など、準備することがたくさんあります。
ここでは、食器と調理器具、その他の備品に分けて、どのように選ぶと良いかポイントなどを紹介したいと思います。
①必要な食器を購入
食器はお皿やグラス、茶碗、箸、カトラリーなどありますが、業態によって選ぶ種類が異なります。提供する料理に合わせて食器の大きさやカラーを変えて選ぶと良いです。
また、食器は客席数の1.5~3倍の数を用意しておくと良いと言われています。
②厨房・調理で必要な備品
調理に使用する備品は鍋やフライパン、包丁、まな板、トング、ボウルなどがあります。
厨房のスペースを考慮し、使い勝手の良いものを揃えます。
特にオープンキッチンタイプのお店は、料理の演出、調理器具の配置なども考慮して必要な個数だけ揃えておきましょう。お客様はカウンターキッチンがすっきりと整理されていると清潔感を感じ好印象です。
③その他の備品
細かい備品は、ユニフォームやメニューブック、ペーパーナプキン、レジ、会計伝票など多数ありますが、最低限必要なものをリスト表に記入しておきます。
開業して間もなくすると、必要となる備品がでてくるので、都度購入しても遅くはありません。
2.食器を選ぶときのポイント
飲食店の食器・グラスは料理や飲み物を美しく、そして美味しそうに見せるための要素が多く含まれています。開業前の準備としてどのような食器で表現しようかなどは楽しみのひとつではないでしょうか。
2.1 飲食店の業態に合わせた食器選び
飲食店の業態によって食器や調理器具などは異なりますが、選ぶときに重要ポイントがあります。高級感のあるお店、カジュアルタイプ、洋食、和食、カフェなどの業態は数多くありますが、料理の美味しさを引き出すための食器選びをすることが大切です。
食器の色や素材、形、大きさはお客様が受ける印象に大きく影響を与えます。食器のコストを考えての購入と同時に、お店のコンセプト(雰囲気)に合わせた選び方をすると良いでしょう。
なお、飲み物にこだわるお店は、グラスを中心に高価なものを選びます。
特に薄手のワイングラスなどは洗っていて割ってしまうことが多いのである程度のストックは用意しておきましょう。
2.2 テーブルの大きさによって食器選びも変わる
テーブルのサイズによって食器の大きさなども異なります。特にお皿のサイズはテーブルの大きさと関連しています。
- 2人席テーブル・・・グラスも含め一人分のお皿を大小2つ程度が多い
- 4人席テーブル・・・お店によってテーブルの大小の差は多少あるが、二人用のテーブルを付けた場合は、2人用のお皿やグラス数の2倍
- カウンター席・・・奥行があるカウンターであれば、グラスも含め一人分のお皿大小3つ程度
上記はアラカルトメニューで想定したお皿などの数です。食器を選ぶときはテーブルの大きさによって提供できる数があるので、一度試しに食器を置いてみてみましょう。
テーブルが小さい場合は大皿を控えるなど工夫してみると良いです。
2.3 食器はメニューに合わせて揃える
食器は料理の美味しさを引き出すことができると先述しましたが、メニューによって料理の色や形が異なります。できる限り食器はシンプルなものを揃えるとともに、片付けをしたときにお皿などが重なって整理整頓ができやすいものを選ぶと良いでしょう。
また、メニューが決まれば、使用する食器も決まります。
メインメニューやおすすめメニューがある場合は、注文数が増えることを想定して他の食器数より多めに仕入れておくと良いです。
なお、ランチとディナーと分けて営業する場合、使用するお皿やグラスを別々にしている飲食店もあります。
- ランチ用食器・・・ランチ用プレートとトレー、コーヒーカップとグラス、茶碗とお椀、割り箸・カトラリー。テイクアウト用容器など。食器はまとめて購入すると割引価格になることが多い。
- ディナー用食器・・・ カトラリーやお箸、アルコール用グラス、メインメニューなどのお皿、小皿や小鉢など。ディナーメニューの中で高値の料理を提供する場合は、高価なお皿などを使用すると良い。
3.調理備品やその他の備品はどう選ぶ?
飲食店の備品は厨房で使用するものからホールで使用する備品、そしてお客様へ提供するものなど数多くの備品があります。
3.1 調理器具の選び方
調理器具は、厨房で料理を作るとき常に清潔さを保つという衛生管理の徹底化が求められます。それらを踏まえた調理器具を選びましょう。
- 包丁・まな板➡調理人が一番重視しているのが包丁です。食材によって区分けしますが、切れ味やメンテナス(手入れ)のしやすさなどを考慮して選ぶことと、自身にあったものを選ぶことが重要です。
- 鍋・フライパンなど➡調理の用途によっていろいろな種類のものを使用しますが、素材の特性を活かした道具を選びます。アルミ製やステンレス製、鉄製などがあり、保温性が高いものや耐久性に優れたものもあるので、調理方法を考慮して購入しましょう。
3.2 ユニフォームはコンセプトに合わせる
お店のコンセプトはあらゆる場面でイメージされるので、非常に重要な表現方法のひとつです。店舗業態によってユニフォームは異なりますが、ホールスタッフやシェフなどが動きやすいデザインのものを考えたうえで、お店のコンセプトのあったものを選ばなければなりません。
- ユニフォームにロゴや店名などを入れる場合は専門店に依頼する
- 耐久性に優れ、劣化しにくい、そして汚れが目立たない色を選ぶ
- スタッフの業務役割に適した機能性に優れたユニフォームを選ぶ
ユニフォームはお店のコンセプトに合わせることで、お客様から見ても好印象です。
また、店長や責任者とスタッフのユニフォームは区別して着用した方が良いでしょう。
3.3 その他の備品の揃え方
食器や鍋、フライパンなどの(什器)備品の他に客席用の細かい備品も多岐にわたってあります。先ずは営業時の各工程を考え、リスト表を作成してみましょう。
《客席用備品》
テーブル、椅子、メニュー表、おしぼり、トイレットペーパー、調味料入れ、傘立てなど。客席用の備品はテーブルなど、大きなものから細かいものまであります。
特にテーブルや椅子はお店のカラーに合ったものを選ぶと違和感がなく、お客様がリラックスできるので常連客となりやすいです。
《レジ周りの備品》
POSレジまたはキャッシュレジ、伝票、領収書、文房具、ショップカードなど。
現在、キャッシュレス決済が増えてきているので、今まで以上にお金の動きがなく電卓や小銭入れなど必要としなくなってきています。
POSレジ自体シンプルなので周りには必要な備品(QRコードやショップカードなど)だけをオブジェのように置くとお客様の目に留まりやすいです。
4.備品選びで心地よい空間に
厨房で使用する調理器具以外の備品は、ほとんどお客様の目に入ることが多いです。
お客様の行動を想定して何が必要なのか、そしてどれだけの数を準備しておけばいいのか計画性をもって購入するようにしましょう。また、備品ひとつを選ぶ時、見せ方などを工夫するのもお客様の目を楽しませます。
たとえば、テーブル上の備品と食器のコーディネートをした上で、料理と食器の(○○産地など)発想を膨らませる提供の仕方をするなど。お客様は目で楽しみ温かみを感じます。
料理や飲み物の演出は、それらを作り出す道具である鍋や包丁はもちろん、食器・グラスなどの力が大きく加わっています。食器の演出は人の温かい言葉を加えることで、お客様の五感に響くことになるでしょう。
さいごに
いかがでしたか。飲食店で必要な備品は多種多様で一度に全て揃えることは難しいかもしれません。まずは、必ず必要な備品をリスト化して客席数に対してどれだけ準備すればいいのか計算してみましょう。
開業して軌道に乗ってから、もっと必要な分だけ加えていくというのも落ち着いて選べて良い方法かもしれません。