
飲食店を開業する際に、立地による集客マーケティングは大切です。
立地は駅周辺や郊外、地域密着型、オフィス周辺などさまざまなタイプがあり、ターゲット層などの動きによって営業日や営業時間、定休日を決定することが多いです。それに関連して立地物件の階数選びも集客に影響することも多々あります。そのため、物件の階数にこだわる経営者も少なくありません。
今回は、「路面店」「空中店舗(2階以上)」「地下店舗」などのメリット・デメリットから各階数による集客方法を解説していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。

もくじ
1.物件による階数の特徴
飲食店の立地選びは、店舗運営をしていく上で経営に大きな影響与えます。お店のコンセプトをどこまで商圏エリアに馴染ませて活躍できるか施策を考えなければなりません。当然、出店場所が違えば客層も違います。そして、もうひとつ店舗を決定するときに大切なのが、物件の階数です。飲食店はテナントビルや雑居ビル、古民家タイプの一軒家、オフィスビルなどさまざまな場所で出店しています。路面店、地下店(半地下含む)、空中店舗(2階以上)の3つに分けられますが、それぞれの特徴があり業種や営業スタイルによってお客様の入店頻度も変わってくると言っても良いでしょう。
〈路面店〉
路面店は道路に面したビルなどの1階部分の店舗を指します。
人通りが多く、人の目線が同じであるため目立ちやすい場所にあります。人の動きが早いのが特徴で、代表的な店舗がコンビニやラーメン店、牛丼店など滞在時間が短い業態が多く存在しています。ただし、人通りの少ない住宅街や大通りから1本外れた路地裏などは雰囲気にこだわった店舗展開が多くあります。
〈地下店・半地下〉
地面より下に位置する店舗が地下店で、天井が地面より上にあり床が地面より下に位置しているのが半地下です。駅に繋がる地下街にはファッション店や飲食店などの店舗を構え、テナントを含むビル地下にも飲食店が入店しています。防音完備に優れているためライブハウスやバーなどに人気です。
※半地下は地下と同じ扱いとされています。
〈空中店舗〉
空中店とは、路面店に立ち並ぶビルの2階以上に位置する店舗のことです。上階になればなるほど眺望がいいとされることが多いので、オリジナリティのある店舗にしたい場合には、デザイン性を引き立てやすくなります。
なお、ショッピングモールやデパートなど商業ビルの中での出店は2階以上であっても空中店舗にあてはまりません。
2.路面店・空中店・地下店のメリットとデメリット

飲食店の立地選びは経営に大きく左右されますが、宣伝方法によっては物件階数にも影響を受けてしまいます。ここでは路面店、空中店、地下店のメリット・デメリットを紹介します。
△路面店のメリット
①集客に期待
路面店は道路に面しているため人通りが多いので、目に入りやすく入店しやすい。また、テイクアウト販売も行いやすくお店の味を試してもらえるので、お客様が気に入れば歳らの可能性がある。
②ブランドイメージを与えられる
人の目に入りやすいことから外観・内観のコントロールができるので、お店のブランドデザインが表現できる。
③宣伝効果が高い
入り口付近に店舗のショップカードやイベントなどのチラシを設置できる。
▽路面店のデメリット
①家賃が高い
空中店や地下店に比べて家賃が高いことが多い。また、自由度の高いことから内装に手をかることが多あるので工事などのコストが高くなる。
②物件数が少ない
路面店は人気があるため、エリアによっては空き物件が少ない。
△空中店舗のメリット
①プライバシーの保護
2階以上は通行人の視線を気にすることがなく、お客様のプライバシーを保護ができるので、入店しやすい。
②空間の演出
通行人の目や騒音を避けられるので、落ち着いた雰囲気で空間演出ができる。
③コストを抑えられる
路面店と比較して2階以上は家賃が低い。
▽空中店舗のデメリット
①視認性が低い
路面店に比べて視認性が低いので、看板などの設置が必要。(別途看板設置料の可能性あり)
②エレベーターがない物件
5階までのビルにはエレベーターが完備されていないことがあるので、お客様が避けて通る可能性がある。バリアフリー対応はできない。
△地下店のメリット
①家賃が低い
地下店の家賃は人通りが多い場所でも安いので、その分の広告・宣伝費の予算がたてやすい。
②遮音性や耐震性などが優れている
一般的に地下全体が基礎となっているため、耐震性や防音性に優れた構造となっている。
音の反響が抑えられる。
③オリジナリティのある演出
隠れ家的な独自性のある空間演出に効果的なので、リピーターとなってくれる可能性が高い。
▽地下店のデメリット
①視認性が低い
道路に面していないため通行人の目に留まる可能性が低い。
②湿気による悪影響
地下は日が当たらず換気がよくないことで、カビの発生リスクが高い。
3.各階によって異なる集客方法

集客のためのツールはいくつかありますが、路面店舗、地下店舗、空中店舗(2階以上)は集客のための共通方法としてSNSは活用されています。
しかし、せっかく選んだ場所での出店です。その場所でしかないできないSNS以外の集客方法を紹介したいと思います。
3.1 路面店の集客方法
路面店は視認性が高いのが特徴です。特に人通りが少ない住宅街、大通りから一本入った静かな道などでもお店のアピール方法によっては、関心を引くことができます。
- デザイン性に優れた看板やデジタサイネージを活用
- 夜の営業中はライトアップで雰囲気の演出をする
- 分かりやすい看板メニューを設置する(特選メニューなども用意)
- 近隣の店舗とのコラボによる集客強化
特に初めてのお客様は、気になるお店を見つけた場合に入り口付近で入店しようか迷われている人がいらっしゃいます。その際には、店員がお声掛けして入店を促してあげることで好印象を与えます。
3.2 空中店舗の集客方法
ビルの2階以上の物件は人の目に留まりづらいため、お店の雰囲気が伝わりにくいです。
ただし、回転率の高い路面店とは逆に滞在時間を長くして、サービスを重視した特別感のある空間を演出してみることでお店のアピールに繋がります。
- 視認性が低いからこそ、レイアウトに工夫をした宣伝ボードの設置
- 客単価を上げて高級感を演出(滞在時間の長時間化)
- お店の個性を活かした内装やインテリア
お客様がわざわざ2階以上のお店に足を運びたくなるには、コンセプトに合った雰囲気づくりとサービスを提供していることが大切です。
3.3 地下店の集客方法
地下に位置した飲食店は人目につきにくく、閉鎖的な印象を受けやすいです。しかし、これらを一新させるような独創的で隠れ家的な空間づくりができるのは地下という場所が最適な空間なのです。
- エレベーターや階段(外階段含む)に看板を設置
- ひとり常連客を狙ってのリラックス感を与え、会話サービスの提供
- 店内に独自性を打ち出す
地下店舗はバーやスナック、ライブハウスなど、ひとりでふらっと来られる空間作りをすることでリピーター獲得に繋がり、集客効果が得られます。
4.店舗階数を選ぶ時のポイント
飲食店の階数を選ぶ際には「ターゲット層」「出店コスト」「業態」の3つのポイントがあります。
下記は路面店、空中店舗、地下店舗を出店する際のポイント(比較)をまとめた表です。

各階数によって営業スタイルが異なることもりますが、経営者の個性が引き出せる場所であり、それにお客様が色づけをしてくれると言ってもいいでしょう。
上記の表、3つのポイントを参考にしていただけたらと思います。
さいごに
いかがでしたか。店舗階数は経営者やスタッフの個性を引き出せる場所でもあります。
路面店・空中店舗・地下店舗はそれぞれの特徴があり、集客方法も異なる部分があります。
お店のコンセプトに合った階数での出店を繰り広げていくことが集客の近道でもありますね。
