飲食店の経営者はメディアへの露出によって集客に結び付けたいと考えていらっしゃる方が少なくありません。しかし、メディア業界に知り合いでもいない限り、お店を取り上げてもらうことは容易ではありません。取材をしてもらうためには話題性を持ち合わせていること、そして宣伝・広報の打ち出し方が重要なポイントとなります。
今回は、テレビや新聞、雑誌などのメディアに取り上げてもらうための方法やメリット・デメリットなどを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.メディア戦略とは?
メディア戦略とは、企業や店舗のプロモーションを行う際の発信手段となる媒体を如何に組み合わせて使うか検討することを言います。
飲食店の宣伝を成功させるためには、メディアによるターゲットの属性やエリア、企画特集を調べた上でどのように組み合わせていくのか、あるいは一つに絞るか検討する必要があります。(※通常出版社やテレビ局からの取材依頼があった場合、費用はかかりません。ただし店舗側で取材依頼をした場合はメディアへ確認する必要があります)
メディアには以下の3種がありますが、それぞれ特性を持ち合わせています。どれも認知度・集客を目的としているため、欠かすことのできない存在でもあります。
■オウンドメディア
自社で保有しているホームページやブログ記事、メルマガなどのSNSが代表的です。コンテンツの内容や見せ方をコントロールすることができ、流用的に情報発信ができるので自由度が高いです。
■ペイドメディア
媒体はテレビ・ラジオ・新聞・雑誌などがあります。大衆的にアプローチができるので即効性があり、お店の存在を認知させて集客に繋げることができます。
■アーンドメディア
TwitterやInstagram、TikTokなどで商品や店舗情報が拡散され、閲覧したユーザーが興味を持ってくれればフォローしてくれたりします。有益な口コミを投稿することで他のユーザーからの信用や評価の良さを獲得する目的とされています。
2.メディアに取り上げられる方法
前述でメディア戦略として基本柱の3種を紹介しましたが、ここではテレビや新聞、雑誌などに注目して飲食店が取り上げられるための方法を解説していきます。
2.1 各メディアの特徴を把握
飲食店はSNSなどを利用して多くのユーザーに存在を知ってもらえるチャンスがたくさんあります。また、料理の写真からコメント、動画まで投稿できるので無意識で誰もがお店の宣伝をしているといってもいいのではないでしょうか。
ただし、SNSの宣伝は比較的ターゲット層が限られていることが多いです。例えば若い世代向けのメニューを売り出したい場合にはTikTokという選択をすることがあります。
不特定多数の人達への認知度や即効性のある集客を目指す場合は、メディアを利用すると良いです。ここではテレビ・新聞・雑誌による媒体先の特性を紹介していきます。
★テレビ
特に飲食店はテレビ取材による宣伝効果が非常に高いです。不特定多数の視聴者に情報を伝えられるので即効性のある集客が期待できます。テレビ番組として「旅・グルメ」は飽きがこないという説があります。
★外食産業専門の新聞
飲食業界専門紙は実践的な取材をもとに幅広い情報を記事にしてもらえます。
取材したお店の飲食店紹介コーナーやコラムなどを発行毎の連載で紹介していることがあります。また、外食産業の専門新聞なので、経営成功の事例などを取材することもあるため信憑性が高いのも大きな特徴です。
★グルメ雑誌
週刊・月刊誌などの記事を決まったライターが書くことが多いため、コミュニケーション力が充実し取材の質の高さが期待されます。また、写真やイラストなどを載せる場合はカラーページが多いので目に留まりやすいです。雑誌の特徴としてターゲット層や地域別に読者層を絞ることができます。
2.2 基本的なプレリリースの書き方と配信
ここではメディアに取り上げられるための効果的なプレリリースの作り方・配信方法を紹介したいと思います。
プレリリース作成に必要な内容は以下の通りとなります。
- タイトル(テーマ)
- 伝えたい内容(新商品やイベント、フェアなど)と画像
- お店情報、取材先の連絡先と担当者名
以下のように取材する目的を考えた上で、取り上げられる内容(要素)を用意しておきましょう。
- 自店で開発した(新)メニューを世の中に広めたい
- 飲食店をオープンするので多くの人に認知してほしい、集客が狙い
- イベントやフェアを通じての集客、飲食店のブランドイメージを伝えたい
次に上記の想いを伝えるために、どのようにプレリリースを作成すると効果的なのかまとめてみました。
①各媒体先の特性を認識する
テレビや雑誌、新聞などの特性をみながら自店が取り上げてほしい内容と見合っている媒体先を選択します。
②タイトルを決める
タイトルは一番初めに目に留まるので非常に重要な役割をしています。文字数は25~30文字でわかりやすく書くことを心がけましょう。
③伝えたい内容をまとめる
取材してほしい内容を、いつから何をどのように、そしてこれからの展望などを具体的に書きます。ニュース性のある内容であることを意識しましょう。文章の量はA4で1~2枚程度が良いです。
④画像を用意する
プレリリースに画像を取り組むことでお店の魅力が伝わるので効果的です。新聞や雑誌などは電子版を利用していることもあるので画像は必須となります。メディアに興味を持ってもらえれば画像をそのまま使えるので取り上げられやすくなります。
⑤店舗情報・担当者などの連絡先
店舗URL・連絡先(メールアドレス含)・広報担当者名などの基本情報は必須です。
⑥媒体先に配信
最後に配信ですが、送りたい媒体の編集部に連絡をしてから郵送、あるいはメール・FAXで送ります。ただし、プレリリースを送ったからといって直ぐ取り上げられるとは限りませんが、数限りなく再挑戦することは可能です。
2.3 メディアもWEBで探している
メディアが話題性のあるネタを探すとき、情報源としてSNSを活用していることが多くあります。インスタやTikTok、ホームページなどのSNSの更新作業は積極的に行うことをお勧めします。また、以下のことを心がけてSNSで情報配信をすると良いです。
- 特別感のあるメニューやサービスなどを伝えたい場合は、なぜその商品が生まれたのかなどの経緯も配信(面白さ・珍しさなどがあるよ良い)
- 個性豊かオーナーあるいはスタッフのエピソードなどを紹介
- 取材してほしいメディアへのフォローをする
メディアを意識したSNS情報を配信することで目に留まりやすくなります。
ただし、取材してほしいがために単に作り上げた情報を配信しても見破られてしまうので、注意しましょう。
3.取材のメリット・デメリット
取材をするにあたって飲食店のメリットはたくさんありますが、当然ながらデメリットも存在します。ここではどんなメリット・デメリットがあるのかみていきます。
〈テレビのメリット〉
- テレビの集客力は一番が高く、放映後直ぐに混雑・行列ができる
- しばらくは広告を打たなくて済む
- ブランド力が上がる
- ディレクターなどと横のつながりができる
〈テレビのデメリット〉
- 放映後の混雑状況によって食材不足の発生や接客品質が低下することがある
- 最初は珍しくて入店したが、数日・数か月後には客離れする可能性がある
〈新聞・雑誌のメリット〉
- テレビのような派手さはないが、リピーターになってくれる可能性が高い
- 新聞や雑誌はモノ(紙)として残るため、数年後でも読者となって来店してくれる
- 紙なので記憶に残りやすいこと、読み返しができるので新たな視点で興味を持たれる
〈新聞・雑誌のデメリット〉
- テレビほどの情報拡散は難しい
- 店舗移転や価格変更などの情報は新聞・雑誌での対応は難しい
さいごに
いかがでしたか。飲食店にとって集客につながるメディア配信は非常に効果的です。しかし、取材を依頼する側としては話題性のあるプレリリースを作成して興味を持ってもらわなければなりません。また、取り上げてもらうメリット・デメリットもたくさん存在しています。メディア取材での集客の成功確率は高いのですが、目先だけに捉われず息の長いお客様になってもらえるような店づくりを心がけることも大切ですね。