- 現在はディナーのみの営業だけどランチタイムも検討中、儲けはない?
- ランチ営業のメリットとデメリットを知りたい。
- ランチ営業で利益を上げるコツやポイントを教えてほしいい。
このような疑問や不安などを抱えてランチ営業を始めようか迷われている飲食店経営者が多くいらっしゃいます。
確かにランチ営業は儲からないどころか赤字になってしまうと言う方もいらっしゃいます。ランチ営業をしたものの利益が上がらず直ぐに辞めてしまうお店もあれば、着実に利益をだしているお店もあります。この違いはどこにあるのでしょうか。
今回は、ランチ営業によるメリット・デメリットや利益を上げるためのコツやポイントなどを解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.飲食店によるランチ営業の目的
飲食店のランチ営業は「儲かるどころか赤字だ」という声を耳にすることがあります。また、飲食店の開業を検討している人のなかで、「ランチ営業は本当に儲からないのだろうか?」と疑問に思われている方もいます。そこで、先ずはランチ営業の状況をみていきたいと思います。(下記は飲食店経営者のアンケート回答によるものです)
ランチ営業の状況を見てみると「ランチ営業をしている飲食店」が半数以上の67%に対して「ランチ営業をしていない」が21.8%、「ランチ営業をしていたが辞めた」が11.2%です。「営業していない」、もしくは「営業していたが辞めたという回答の中で「ワークバランスを整えるため」「立地が住宅街のため回転率が悪い」などの理由が挙げられました。
次にランチ営業の目的ですが、様々な意見が見られました。
最も多かったのは「利益を上げるため」が72.7%でした。やはりランチタイムを利用して利益向上のために営業をしている飲食店が多いようです。次いで「ディナー営業の集客のため」が50%、「食材の有効活用のため」が42.2%、「その他」が10.9%という結果です。その他の中で、「認知度を向上させるため」「宣伝のため」などの意見もあり、ディナー営業への集客に共通していることが分かりました。
ランチタイムの営業目的で一番多いのは利益向上、集客、食材廃棄の削減などの回答が多いようです。その目的を果たすためにはさまざまな工夫をすることが重要だと言えるでしょう。
2.ランチ営業のメリット・デメリット
ランチ営業を始めるか否かはメリット・デメリットを理解した上で比較検討してみるのもひとつの方法です。メリットは最大限に活かし、そしてデメリットはどれだけ最小限に抑えられるかという可能性です。
そこで、ランチ営業のメリット・デメリットをまとめてみました。
〈メリット〉
◇食材の廃棄ロスを削減
ディナーメニューを中心に仕入れた食材を営業時間内で使い切れなかった際にランチメニューに使用することで食材の廃棄ロスを削減することができます。廃棄ロスを減らすためにもランチメニューはディナーと連携することで大きなメリットになります。
◇ディナー営業への誘導
以前から気になっているお店がある場合、ディナータイムよりランチタイムのほうが入店しやすいというお客様が多くいらっしゃいます。ランチで気に入ればディナーで来店してくれるという可能性が高くなり、誘導することができます。相乗効果で売上アップに期待が持てるというメリットがあります。
◇優秀な人材確保
飲食店で働くスタッフはシフトで入っているアルバイトやパート、フリーターが多いです。その中でも特にフリーターは長時間労働が多く、ある程度安定した働き方をしています。優秀な人材を確保し育成していくには短時間では難しく、フリーターのように長時間で働いている人のほうが育てやすいのは事実です。そのため、人材を確保し育成するためにも営業時間を長くする理由のひとつでもあります。ランチ営業をすることは人材育成の土俵を作るうえで大きなメリットとも言えるでしょう。
〈デメリット〉
◇コストがかかるだけで宣伝効果が得られない
ランチタイムに集客ができなければ、人件費や光熱費などの経費がかかるだけで赤字になってしまいます。集客ができなければディナー営業への誘導も難しくなってしまいます。また、ランチタイムだけしか来店せず、ディナータイムには足を運んでもらえないこともあります。お店側の一方的な宣伝で、効果が得ることなく終わってしまうというようなデメリットがあります。
◇価格競争が激しい
特にランチ時間のオフィス街などは価格競争が激しく、高価格でもサービスを重視したお店、または低価格で打ち出したままセルフサービスにするなどのさまざまな施策を検討しなければ、利益にならないどころか赤字になる可能性があります。
◇長時間労働でスタッフの負担
昼と夜の通し営業は、たとえ休憩時間が数時間確保されていても長時間労働のためスタッフのマンパワーがダウンしてしまう可能性があります。ランチタイムの営業時間が長引いたり、または夜の仕込み時間を要するなどの理由で、通常は休憩2時間のところ連日1時間に満たないということになりかねません。スタッフの労働時間の負担を軽減させる工夫が必要となります。
3.ランチに求められること
飲食店は立地によって客層が異なり、住宅街ではゆっくり食事をしたい、あるいはビジネス街では短時間で食事したいなど求めるものがそれぞれ異なります。
ここでは都心のビジネス街で働く人を中心に、ランチタイムに何を求めているのか紹介していきます。
- 美味しさやメニューの豊富さ
- 店内の雰囲気
- クーポンが使えるお店
- 価格が安いお店(チェーン店など)
- 接客サービスが良いお店
一昔前ではビジネス街のランチタイムと言えば12時から始まるため集中していましたが、最近では決まった時間ではなく、自分の仕事の都合に合わせて休憩にはいることが多くなりました。そのため混雑していない時間帯でお店を選ぶ余裕ができるのでシビアになる人も増えています。
同じ業種のお店が並ぶビジネス街では価格で勝負していることがあります。または価格が同じでもメニューやサービスに付加価値をつけて勝負している飲食店もあります。お客様にお店を比較して選んでもらうためにも飲食店の基本である「食の味」「居心地」「価格」「接客」などに目を向けて、それに付加価値をつけていくとお客様が求めている以上の満足が得られ、次への来店に繋がることができることでしょう。
4.ポイントを押さえて利益を上げる
ランチ営業は低価格のため利益を上げることが難しいとはいえ、着実に集客数を増やし売上向上につなげている飲食店も存在しています。
ここでは、利益を上げるためのポイントを紹介したいと思います。
4.1 回転率を意識する
ランチタイムに利益を出すのが厳しいと言われていますが、回転率を高めることで利益は上がります。つまり、滞在時間を短くすることです。
- 入店客の滞在する時間指定を伝える(滞在時間を60分、コースは90分など)
- 提供時間の短縮
- ランチタイムのみ早いテンポのBGMにする
お客様が入店してから会計までの流れをスピーディーにこなすことが回転率を上げる条件となります。
4.2 ランチタイムでテイクアウト導入
ランチ営業に合わせてテイクアウトメニューを販売している飲食店をよく見かけますね。店舗の入り口で販売をしていることで、お店を探している通行人の目に留まりやすくなるため購入してくれる可能性が高くなります。また、テイクアウトをしたお客様が気に入れば、次回は直接お店に行って味わいたいと考えてくれるかもしれません。テイクアウトもランチタイムの売上となるので、利益率のアップに繋がります。
4.3 3通りのセットメニューにする
ランチはセットメニューが多く、仮に洋食では「メイン、サラダ、ドリンク
が一般的です。たとえばメインの価格を3つに分けるとしましょう。Aセットはハンバーグで1000円、Bセットは魚料理で1200円、Cセットは(日替わり)ステーキで1500円といった3通りのセットでメインを価格別に分けたメニューにします。その中で単価の高い(日替わり)ステーキを限定何名様という限定表現を使うことで注文数が増えます。また、サラダなどは3通り同じ食材を使うので食品ロスが減ります。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回はランチ営業のメリット・デメリットから利益向上のポイントなどを解説しました。ランチ営業は儲からないと言われていますが、始めている飲食店も増えています。利益を上げるための戦略を実践し成果をだしている飲食店も多くいらっしゃいます。利益を上げるには、ポイントを押さえながら工夫をしていくことが必要ということではないでしょうか。ランチ営業するか迷っている、あるいは続けているけど利益に繋がらないという方は、この記事を参考にして頂けたらと思います。