エステサロンで必要な保険~トラブルによって異なる保険の補償内容を解説~

これから美容サロンを開業しようと検討されている方が多いかと思います。
本記事では、サロンで起こりうるさまざまなトラブルから守るための「保険」について解説していきたいと思います。先ず、トラブルの内容によって数ある保険の中から選ぶことでリスクを最小限に抑えることができます。そのためには店舗がどのような保険に加入すればいいのか知ることが大切です。エステサロンで起こるトラブルを想定しながら、商品の種類・内容などを検討していただけたらと思います。ぜひ参考にしてみてください。

1.エステサロンで発生するトラブル

美容サロンを開業される際に、加入しておくべき保険が幾つかあります。特にエステサロンは痩身や脱毛、フェイシャルといった施術で業務用機器を使用することが多いため、十分注意していても誤った操作・機械故障などでお客様に被害を与えてしまったというケースも少なくありません。また、美容業はサービス業なので常にお客様と接しているため、施術以外でもトラブルが起こる可能性もあります。

ではここで、どのようなトラブルが発生しやすいのかみていきましょう。数あるトラブルのパターンを認識しておくことで、保険の選別がしやすくなります。

  • お客様が美容機器のコードに躓いて転んだ、機材が倒れてきて怪我をしたなど。(サロン内で危害を加えてしまうようなレイアウトでお客様が負傷してしまうケース)
  • お客様の預かりものを破損してしまった、あるいは紛失してしまった。
  • 施術用化粧品の使用後、お客様の肌に合わず炎症や肌荒れをしてしまった。
  • 脱毛に使用されるマシーンで火傷を負わせた、お客様の肌質とは違う(判断ミスによる)化粧品を使用してしまって顔が腫れたなど。

以上のようなトラブルから守るためにも必要となる保険に加入し、そして店舗のためにもしっかり備えておくことをお勧めします。また、後に紹介するサロン向けとエステティシャン個人向けの保険がありますので補償内容の確認をしておくと良いでしょう。

2.サロンで必要な賠償責任保険

サロンで発生するトラブルは、自分が思っている以上に多発する可能性があります。そのためにもサロン保険に加入しておくことをお勧めします。また、サロン保険はトラブルの内容によって異なるので保険の内容をしっかりと確認することが大切です。ここでは、サロンで起こりうるトラブルの具体例とそれに沿った補償内容を解説します。

2.1 施設賠償責任保険

施設賠償責任保険とは、名前の通り施設内(サロン内)による管理ミスでお客様に損害を与えてしまった場合の賠償責任を負われたときに補償できるという保険です。
具体例と補償内容は以下の通りです。

〈具体例〉

  • 掃除が行き届いていなかったため、床に残ったオイルでお客様が滑って怪我をした。
  • 段差による躓きでケガを負ってしまった。
  • 施術中に化粧液が服に付着してしまいクリーニングが必要となった。

〈補償内容〉

  • 事故発生時の損害防止費用やケガなどの応急処置費用
  • 裁判や示談交渉になった際の裁判費用・弁護士費用など

施設賠償責任保険は具体例をみても一番身近なところで事故が発生しやすいので、加入しておいたほうが良いでしょう。店舗経営をしている以上、お客様に損害を与えてしまう可能性は少なからず想定しておきましょう。

2.2 PL保険(生産物賠償責任)

PL保険とは、店舗で提供・販売している商品によってお客様に損害を与えてしまったときに補償してくれる保険です。また、PL保険は化粧品や美容機器の販売後によってお客様にトラブルが発生してしまった場合にも補償されます。

〈具体例〉

  • サロンで購入した化粧品や美顔器で肌トラブルが起こり病院へ通った
  • 施術後において化粧品などによる損傷が発見された

〈補償内容〉

  • お客様の身体事故による治療費や通院費など
  • 財物に損害を与えた場合、サロンが負担する費用(規定に沿った補償費用)

施設賠償責任保険では業務上による事故に対応している保険ですが、PL保険は施術後や商品の販売後にトラブルが生じた、もしくは財物への損害を与えてしまった場合に補償してくれる保険です。

2.3 受託者賠償責任保険

サロンでお客様の荷物を紛失・破損してしまったなど、損害賠償責任を負った場合の保険です。

〈具体例〉

  • お客様から預かった衣服を汚してしまった。
  • お客様から預かったカバン等を紛失してしまった。

〈補償内容〉

  • 紛失による物品の調達費用
  • 破損してしまった預かりものの修理費用など

火災や盗難も含め、取り扱い不注意による破損・紛失によって預かったときの状態で返すことができなくなった場合に適用されます。

2.4 借家人賠償責任保険(火災保険)

上記の賠償責任保険に加え、借家人賠償責任保険も検討してほしい保険の一つです。テナントで店舗を借りて運営しているなか、火災や盗難にあった際ビルオーナーに対して補修工事などの費用の賠償責任が発生したときに補償します。

〈具体例〉

  • サロンが火災や落雷、水漏れなどによって補修工事が必要となったとき。

この保険は、サロンが入っているビルオーナーに対する修繕費などの損害賠償責任を補償する保険です。火災等でお客様への身体損害や財物の破損をしたときにも補償されます。

2.5 事業活動総合保険(休業損害保険)

火災や台風などが発生したときに店舗は休業しなければならないことがあります。店舗の休業を余儀なくされたとき、休業損失を補償する保険が事業活動総合保険です。

〈具体例〉

  • 火災や水災などにより、サロンを休業しなければならない
  • 水漏れで業務用機器の使用が不可となり、修理のため休業しなくてはならない
  • 電気・ガスの供給がストップしてしまったため営業できなくなった。

休業補償の加入は必須ではないものの災害が多い昨今、検討することをお勧めします。

3.保険に加入する時の注意点

エステサロンを経営するオーナーは、あらゆるトラブルを防ぐため十分に配慮していることでしょう。しかし、思わぬところから事故は起きてしまう可能性もあるということを覚えておいた方がいいですね。施術ミスや自然災害で発生する事故で損害賠償責任を負うことになる可能性はゼロではありません。
もしもの時のためにも保険の加入は重要な選択です。
ここではサロン保険を選択する際、どこに注意したらいいのかみていきます。

  • サロンで起こりうるトラブルを想定した上で補償内容をしっかり確認する。
  • 保険の種類(補償内容・保険料・免責内容など)を比較しながら検討する。
  • サロン側の重大な過失や故意による保険補償は対象外になるので注意を。

上記の項目に注意しながら保険を選ぶと良いです。
また、ほとんどが年間保険料の支払いとなっていますが、店舗を運営する上でキャッシュフローに支障がないか検討しておくことも大切です。

4.個人に向けた保険も検討

今まではサロンに向けた保険を紹介しましたが、エステティシャンとしてフリーランスなどで働く場合、個人に向けた保険もあります。いわゆる「エステティシャン賠償責任保険」というものですが、個人で施術をする場合に補償される保険です。サロンで雇われてトラブルが発生したとき、ほとんど店舗側がカバーしますが、個人で責任を問われることもあるということを把握しておきましょう。トラブルというリスクを回避するためにも個人に向けた保険は検討しておいたほうが良いでしょう。

個人向けの協会系責任賠償保険(一般社団法人日本治療協会)は比較的保険料が安いのでお勧めです。また、小規模から大規模まで対応している大手損保系のサロン向け責任賠償保険もあるので、こちらと比較して決めるのも良いでしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。もしもの時のために保険は加入しておいた方が良いとういのはお分かりいただけたでしょうか。店舗やスタッフ、個人で働くエステティシャン、そしてお客様を守ることができる保険は強い味方ですね。賠償責任保険を中心に、業務内容に見合った保険を選ぶためにも補償内容を把握し、それぞれ組み合わせをするのも良いでしょう。

この記事を書いた人

広田 淳