
美容サロンにおいて、ダブルブッキングは発生してしまうことがあります。その対応によっては、今まで築き上げた信頼関係が崩れ、悪印象を与えてしまう危険性が潜んでいます。
大きなトラブルにならないように店舗側で適切な対処・対応しなければなりません。
ここでは、ダブルブッキングの原因と、どのような対処・対応したらいいのか解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

もくじ
1.ダブルブッキングとは
ダブルブッキングとは、同じ日時に複数のお客様の予約が入ってしまっている状態のことです。時間調整をして来店されているお客様に不便をかけるだけではなく、お店の信用度にも大きな悪影響を与えてしまいます。
ここでは、美容サロンのダブルブッキング(あるいは時間の重複)が発生するケースは具体例を挙げてみました。
- ▶ネイルサロンでは1席しか設置していないのに2名分の予約を受けてしまった。
- ▶美容院での施術が終わらないうちに、次の時間のお客様が来店
- ▶エステサロンでお客様が遅刻してしまったため、施術時間が重複してしまう
- ▶複数ある施術メニューによって予約調整が混乱してしまうためミスが発生
美容サロンでは、美容やリラックスを提供するサービス業です。お客様は日常生活のストレスを解消でき、癒しを求めて来店します。そのため、店舗側のミスや対応などは敏感に感じ取り、今後の訪店をどうするか決めていることがあります。
ダブルブッキングは1度ならず2度繰り返す店舗も存在しています。予約を軽視していると感じ取られるので注意しましょう。
2.ダブルブッキングが発生する原因

お客様の信用を失う危険性があるダブルブッキング。発生原因はどこにあるのかみていきましょう。認識することで、防止策にも繋がります。
2.1 ヒューマンエラー(人員ミス)
ダブルブッキングのミスで最も多いのが確認ミスといったヒューマンエラーです。
予約時の確認方法はいくつかありますが、怠ることでリスクが高まります。
- 予約電話を受けた時に復唱していない、聞き間違えをすることがある
- 予約スケジュールの確認をしないで予約を受けてしまった
- 経験などによる思い込み、見落とすなどのうっかりミスも考えられる
- 電話や対面で予約を受け付けたが、そのまま放置してしまった
ヒューマンエラーは、新人やベテランのミスする確率の差はあるものの、両者共に聞き間違いや記入漏れなどの間違う可能性はあります。人の行うことのミスは皆無ではありませんが、防ぐことはできます。
2.2 アナログ管理
店舗によっては、予約を電話や手書きの台帳などを使用していることがあります。アナログでの予約管理は誰もが手軽にできる業務である一方、見落としや書き漏れなどによるミスの発生率が高くなるのも事実です。
予約数が少ないときはスムーズに管理ができても、お客様が増えてきたら記入ミス、日時変更の聴き間違えなどが多くなって混乱してしまうことがあります。
アナログ予約によってミスが多くなってきたら、オンライン予約サイトの利用を検討してみるのもよいでしょう。
リアルタイムで予約状況が更新できるので、アナログ的なミスによるダブルブッキングは避けられます。
2.3 予約管理の共有が不十分
美容サロンでの予約管理者は、店長または経営者が行っていることが多いと思います。
しかし、ダブルブッキングなどのトラブルが起きやすい美容サロンは、複数人のスタッフが受付を各自でとっているといった体制となっています
つまり、スタッフ間の情報共有が不十便になりやすい状況をつくってしまうということです。情報共有が整っていない原因はどこにあるのでしょうか。
- 各スタッフによって予約の取り方が統一していない
- 思い込みによるミス(例として予約の変更などの有無)
- 予約時の記入・入力などを後回しにしている間に、他のスタッフが同日時に予約を受付けてしまう
- 情報共有がないため、担当施術者が休暇の日にスタッフが予約を受け付けてしまう
美容院やエステサロン、ネイルサロンなど、お客様のカルテと同じように予約管理の情報共有は非常に大切です。情報共有の重要性を理解することでダブルブッキングは最小限に抑えられるでしょう。
2.4 予約管理方法が混在
管理が混在しているとは、複数の方法で予約を受付けているという状況にあります。サロンの公式ホームページやオンラインプラットフォーム、電話受付など予約経路が自由に受付けてしまうため重複する可能性があります。
下記は、サロンによる予約管理方法のアンケートを行った回答です。

最も多いのが「公式WEBサイトの予約方法(38.5%)」、次に「電話予約(27.5%)」、「LineやSNS(21.1%)」、「直接店舗で予約(9.2%)」「その他(3.7%)」という数字になっています。ここではWEBサイトを活用した予約が多いということがわかりました。
現況、WEBサイトによる予約が主流になっていて、電話や対面での予約が入ることでダブルブッキングが発生してしまうことが考えられます。予約システム(方法)の統一化を推奨します。
3.ダブルブッキングの対処法

ダブルブッキングはサービス業において、大きな損失に繋がりかねません。防止策を講じることを日頃から整え、もし発生してしまった場合には適切な対処をすることが求められます。
3.1 優先順位を選択
発生してしまったダブルブッキングは、基本的には先に予約したお客様を優先します。
どちらをキャンセルするのか決まった時点で、早めに連絡をすることがトラブルを避けることにも繋がるでしょう。
- 伝える手段は、なるべく電話がよい
- なぜこの事態になったのか簡潔に伝えることと(言い訳は通用しない)
- マニュアル通りの謝罪だけでは逆に不愉快さを与えてしまう
キャンセルをされる相手側の立場にたって状況を伝えることが大切です。お客様は、せっかく予約を受付けしたのにサロン側の都合でキャンセルすることだけでも不愉快な思いをします。
優先順位を決めてからの対応が再来して頂けるかが問われてしまいます。
後述する対処は非常に重要となってくるでしょう。
3.2 謝罪と代替案を伝える
ダブルブッキングが発生してしまったら、先ずは早急にキャンセルされるお客様に謝罪をします。店舗側のミスによる対応は丁寧に詫びる・代替案を提示することが大切です。
- ①電話(またはメール)で謝罪した後、ダブルブッキングが発生した経緯を分かりやすく伝える。 注)無駄な言い訳や曖昧な言葉では伝わるどころか、悪印象を与える
- ②お客様の都合を伺い、予約の代替案を掲示する。あくまでも元の予約以上のプランをサービスとして提案する 注)元の予約以以下のプランを代替案としないこと
- ③代替案を受け入れて頂いたお客様に改めての謝罪と来店の感謝を伝える 注)スタッフ全員が共有していることが大事
美容サロンに対してネガティブな印象を持ち始めてしまいます。上記の順で丁寧な対応を心がければ、信頼を取り戻せることでしょう。
3.3 再発防止策を講じる
お客様への対処法を先述しましたが、再発防止として予約管理の体制を見直すことも必要となります。
・根本的なミスの原因を究明する
ミスやトラブルの元となる原因を究明できないと、ダブルブッキングは必ず再発します。
「なぜ?」➡確認、記入ミスあるいはスタッフ間の共有されていなかったのかなど
・予約管理の統一化
マニュアル化することも大切で、作業の統一化を図ることでミスは防げます。
・予約システムの導入
アナログ的な予約方法もありますが、ミスを防ぐには予約管理システムを導入することで。ダブルブッキングは最小限に減らすことができます。
4.NG対応も覚えておこう
ダブルブッキング発生後の対応によってトラブルやクレームが起きることも十分考えられます。不適切な言動をとってしまったら失客に繋がります。ここでは、NG対応を紹介します。
▼店舗側の都合しか考えていない
お客様は、大切な時間を調整して予約した日時に来店します。予約が重複している他のお客様と同時進行(施術)しようと、店舗側の都合しか考えていない美容院などが存在しているのも事実です。大きな信頼感を失うどころか、サービス業としては失格でとなってしまいます。お客様にお知らせしなければならないことは、早急に連絡しましょう。
▼謝罪が適当
心のないお詫びは必要ないと言われるほど、お客様には不愉快な思いをさせてしまいます。
誠意のある言葉や表情での謝罪をすることが大切です。
▼フォローがない
ダブルブッキングは「ごめんなさい」の一言で済む問題ではないのです。その後のフォローとしてサービスや割引、代替案の提示をしないということはNG対応です。
必ずマニュアル化に伴い代替案を提示しましょう。
さいごに
いかがでしたか。ダブルブッキングはお客様の信用を損なう大きなダメージを受けてしまいます。場合によっては、事後の対処・対応によってお客様への配慮不足が原因で、トラブルが発生してしまう危険性もあります。
誠意のある丁寧な対応が、信用を取り戻すカギとなるでしょう。
