
飲食店の予約について「ダブルブッキングが発生してしまった!」と思いもよらぬ事態が起きてしまうことがあります。少しでも予約数を伸ばそうとしているのに、ダブルブッキングが起きてしまうと、顧客からの信頼が損ない集客減少に繋がってしまいます。
もしもダブルブッキングが起きてしまったら、必ず原因を解明した上で顧客への対処、防止策を講じなければなりません。
今回は、ダブルブッキングが起きる原因と、その対処・予防対策を解説していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

もくじ
1.ダブルブッキングのダメージ
ダブルブッキングとは、お店の予約した日時が複数重なり合う状態のことです。
実は、ダブルブッキングには予約数を増やすために予約キャンセルを見通しての意図的なものと、明らかに予約管理ミスによるもの2通りあります。
ダブルブッキングは、お客様と店舗にどのようなダメージが発生してしまうのかみていきたいと思います。
▶顧客ダメージ
- 断られると予約していた日が空いてしまう
- 集いの席での幹事は立場がない、恥をかいてしまう
- お店の期待を裏切られた
▶店舗ダメージ
- 信頼を失われてしまう(数回程度の来店客は信頼が低くなる)
- 口コミを投稿される可能性があり、その影響で客足が遠のく
- オペレーションの管理不足、イメージダウンに繋がる
ダブルブッキングの発生は、お客様とお店側、双方のダメージは決して小さいものではありません。お客様は気分を害し、お店は「お断りをしなければならない」「ケアをする」といった本来発生しなくてもよい業務をしなければなりません。
ダメージを無くすには、後述しますが防止策を徹底しなければなりません。
2.ダブルブッキングが起きる原因

飲食店のダブルブッキングは頻繁に起きるわけではありませんが、ゼロではありません。特に繁忙期は予約が集中するので注意しなければなりません。忙しい時期にこのような事態にならないためにも、なぜ起きてしまうのか原因をみていきたいと思います。
2.1 人的なミス
人間が行うことはミスがあって不思議ではないと言いますが、ダブルブッキングが生じやすい状況であることも考えられます。
- 予約電話を受けた時の記入ミス、管理者への伝え忘れ
- 未決定(保留状態)の予定を完全予約に入れてしまい同日に集中してしまう
- 予約状況の確認ミス(スケジュールの見落とし等)
複数のスタッフが予約を受け付けるということは「記入ミスや漏れ」「管理者に伝えていない」といったリスクが高くなります。もしも発生したら解決策を見出すことが大切です。
2.2 スタッフ間の共有化が不十分
ダブルブッキングの原因は、管理者以外のスタッフ間での予約情報の共有化が不十分であることも原因のひとつです。管理者だけが予約状況を把握していても、予約を受け付けるスタッフが知らないとダブルブッキングが起きてしまう原因になります。
お客様からの予約を受け付けたスタッフは「管理者に伝えなければならない」というお店のルールがある飲食店が多いです。その後はスタッフ全員へ情報を伝える、あるいはスタッフ全員が予約管理ノートを必ず目を通すなどの共有化を図らなくては、ダブルブッキングの発生は避けられないかもしれません。
2.3 予約管理の複雑化
予約の受付に複数のツールを利用している場合、ダブルブッキングの発生率が高くなってしまう可能性があります。
ホームページからの予約、SNSによる受付、電話・対面など予約の受付経路が複数ある場合は注意が必要です。とはいえ、予約は一つのサイトに絞ってしまうと集客増加の見込みが期待薄になってしまう可能性があります。予約を受けた際には、必ずひとつにまとめたスケジュール台帳に記入、あるいはエクセル表にまとめて入力するようにしましょう。ただし、パソコンを利用する場合は、常に最新の状態にすることが重要です。情報が更新されていないと予約状況が複雑になり、ダブルブッキングが起きる可能性が高くなります。
3.ダブルブッキングの対処法
飲食店のダブルブッキングが発生した時に、どのような対処をしたらいいのか迷ってしまうという方も少なくありません。ここでは対処法を解説します。
3.1 予約の優先順位
ダブルブッキングが起きてしまった後、まず先にやるべきことは予約を断る相手を選択します。基本的には、最初に予約をされた方から埋まっていきますが、その時々の状況に応じて判断することもあります。
- 先に予約を入れたお客様を優先する
- 場合によって人数によって優先順位を決めることもある※例 先約した少人数の再調整は可能だが、大人数の再調整は難しいので人数の多い方を優先
- 断った時のダメージを最小限に抑えられるお客様※例 同伴の誕生祝のサプライズを依頼された相手は出来る限り避ける
お客様にとっては、如何なる理由であってもお店から予約の変更を申し出られたら、ドタキャンされたと思われても仕方ありません。基本的には先約した相手を優先しますが、その時の判断に任せるのもひとつの選択法です。
3.2 電話連絡をして謝罪
断る相手を選択したら、次に電話で連絡をします。どのように伝えれば理解してもらえるか、みていきましょう。
- なぜキャンセルとなったのか詳しく説明し、丁重にお詫びをする
- お客様の都合の良い日に変更が可能か聞く➡可能であれば日程の再調整
- お客様の候補日が都合悪い場合➡代替案として日程を複数提案する
- 双方が可能であれば、最後にもう一度お詫びを入れて再来された時のサービスに繋げる
日程を変更していただいたお客様には、優先して予約を入れるようにしましょう。
また、予定を変更して再来したお客様には、改めて謝罪と感謝の気持ちを伝える必要があります。ダブルブッキングの対処法は各段階に分かれていますが、再来してくれたお客様に誠意を伝えることが大切です。信頼を取り戻すような工夫をしましょう。
3.3 次回に繋げる(アフターサービス)
一度信頼を失うと、それを取り戻すことは容易ではありません。ネガティブな口コミは直ぐに広まり、集客に影響がでてしまいます。
先ずは、お詫びを入れて信用を取り戻してもらうことを優先します。再度利用してもらうようにしましょう。
また、お客様に迷惑をかけてしまったことへのお詫びとしてサービスをします。「そこまでのサービスしてくれる?」「恐縮に思う」「逆にお客様がお礼を言ってしまう」といった気持ちの変化を与えることが重要です。
お店の信用度が高くなれば、また行きたくなるお店になります。
4.ダブルブッキングの防止策

ダブルブッキングが発生すると、多くの労力と時間を費やすことになります。
このような事態が起こらないように未然に防ぐ対策を講じることが大切です。
4.1 予約管理を絞る
ダブルブッキングの原因でも取り上げましたが、予約の受付方法が複数ある場合には一つにまとめることをお勧めします。
- 電話、対面による予約➡ノートやカレンダーなど複数使用すると、記入や確認漏れが生じる可能性があるため、予約台帳を1冊(またはカレンダーのみ)に絞ります。
- 予約システムの一元化➡複数の予約サイトの使用は集客チャンネルの拡大のためによるものがほとんどです。しかし、複数あることで見落としや重複などの発生率が高くなります。
ホットペッパーなどのポータルサイトの予約を連携することで一箇所にまとめた情報を集約し一元管理が可能になります。(この場合は、電話やメールなどの予約は廃止)
4.2 スタッフ間の情報共有化
予約状況を店長や管理者のみが把握しているだけでは、ダブルブッキング発生の解決にはなりません。店内で働くアルバイトやパートを含むスタッフ全員が把握しておかなければなりません。
- ★スタッフ全員が予約受付表に目を通す
- ★開店前のミーティングがある場合は、当日と明日ぐらいまでの予約状況を伝える
4.3 予約システムを利用する
ダブルブッキングを防ぐ対策のひとつとして、予約システムの導入をお勧めします。
手書き台帳やエクセル表に入力するなどの予約管理方法もありますが、人的ミスは避けられません。ミスを防ぐためにもリアルタイムで予約状況を管理できるシステムの導入を検討してみましょう。
- 24時間自動で予約受付:お客様は何時でも予約が可能。また、複数のプラットフォームからの予約が一元管理される
- リアルタイムで更新:予約状況がリアルタイムに更新されるので、予約管理の複雑化が解消される
- 業務の効率化:予約電話やWEB予約などの二重管理が省ける
- 予約時の状況を把握:予約が満席になった時点で自動的に受付停止
さいごに
いかがでしたか。お客様によるドタキャンが飲食店にとって頭を悩ませていますが、予約によるダブルブッキングは同じような事態といってもいいかもしれません。サービス業はイメージが大切です。もしもダブルブッキングが発生したら、原因を解明し、その時の対処・防止策を講じることが大切です。
