ペットの健康を守ろう!トリミングサロンで異常サインを見逃さないためにできること

近年、ペットを飼われている人が多く、なかでは自身よりお金や時間をかけていると幸福感を感じるという方が増えてきています。そのため、犬や猫などの美容や健康を維持するために定期的にトリミングサロンへ通う人が多くいらっしゃいます。
トリミングサロンでは美容の提供だけではなく、大切なペットの健康を維持するためのサポートも行っています。ペットは「見る」「触れる」などで異常サインの発見が可能です。
では、トリマーが異常サインを見逃さないためには、どのように健康チェックをしたらいいのか、そして犬や猫はどのように知らせているのか考えてみたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

1.トリマーの仕事

ペットが清潔で美しく変身させてあげることは大切ですが、美を維持させるためには健康を守ってあげることも不可欠です。それらを実現できるのがトリミングサロンで、仕事の役割を果たしているのがトリマーです。もしもペットが病気や体調不良であったら美容の提供もできません。身体からの異常サインやしぐさ・行動の発信に気づくことが早期発見に繋がるのでトリマーはそれらを意識しながら業務の役目を果たしています。
トリマーの仕事は、犬・猫などの外見を美しく整えたり、毛の絡まりによる不快感を回避させたりと、快適で安全に過ごせるためのサポートをすることです。
ペットは言葉を発せなくとも、「喜び」「悲しみ」はもちろん、「痛い」「不快感」などといった体調不良によるサインも身体で送っています。トリマーがそれらのサインに見逃さないことが大切です。ペットの美容と健康の維持は、トリマーの目と手によってサポートされるといって良いでしょう

2.ペットの健康状態を知るには

トリマーはペットの健康を守ることが業務のなかのひとつです。
トリミングにより体調不良の早期発見に繋がることもあります。ここでは健康状態のチェック方法を解説していきます。

2.1 観察する

トリマーがペットの健康状態を細かく観察することで病気早期発見に繋がることが可能です。犬や猫の顔(目や鼻、口)や足(爪などパーツ部分)で異常サインを発見することができます。

  • 皮膚の状態:脱毛やフケ、皮膚の腫れ、しこり・赤みなどのトラブルがないか確認
  • 目によるトラブル:目ヤ二が多い、目の充血と濁り、すぐに涙目になる
  • 歯や口周りの状態:歯石や歯肉炎、よだれの多さ(特に犬)、口内炎、口臭など
  • 鼻の異常サイン:適度な湿りがあるか、鼻水やくしゃみが多くないかの確認
  • 耳の状態:耳垢の多さ、腫れや赤み、触ると痛がるかなどのチェック

ペットの健康状態は、目や鼻、耳、口、皮膚など身体の表面に出る異常サインを見つけることから始まります。観察することが健康状態を知る最も重要なポイントにとなります。

2.2 触感による判断

触感による健康チェックは、軽く押す、強く押す、摩るなど角度を変えながら触れてみることです。あらゆる方法で触れてみながらの確認例を解説していきましょう。

  • トリミング中:患部に触れると嫌がる、痛がる(切り傷や皮膚炎が多くある)
  • 皮膚の状態:皮膚に弾力がないと脱水の可能性があるので、つまんで元に戻るまでの時間経過をチェックする
  • ボディチェック:お腹の張りやシコリなどを発見した場合、触って硬さを確認(例:胃捻転は張って硬くなる)
  • 感染症やアレルギー確認:毛が抜ける病気で、適切なスキンケアなどの処置をする

ペットの異常を発見したら、触れてみることが大切です。例えばお腹が張っている場合、食
べ過ぎや便秘ということもありますが、触ってみて液体のようなタプタプしていたら腹水が溜まっているということがわかります。触れてみて全ての病気を判断はできませんが、正常ではない異常サインの早期発見ができます。

2.3 行動による異常チェック

トリミング後あるいはトリミング中に様子がおかしいということがみられます。
ここでは行動やしぐさでわかるストレス性によるものも含めたチェックポイントをみていきます。

  • 皮膚の状態:過度の身体を掻く、舐める(長時間舐め続けると毛が抜けることもある)
  • 怪我の可能性:ふらつく、歩きづらそうにしていないか
  • ストレスチェック:口呼吸が荒くなる、吠える(パニック状態になるものはストレスによるものが多い)
  • 体調不良のサイン:元気がない、目がうつろ、あまり動かない

トリミング中による環境変化のストレスが溜まると、施術後に異常サインがみられることが多いと言われています。また、痛みや不快があっても我慢するケースがあるので、些細な異常でもトリマーは見逃さず、その変化を飼い主に伝えることが大切です。

3.ペットの異常発見でトリマーがとるべき行動

トリマーは、犬や猫の健康状態をチェックし、体調変化に気付くことはできますが、診察することはできません。
異常を発見したら適切な処置をするのですが、どのように対処したらいいのでしょうか。


■異常発見は飼い主に報告
どんな些細なことでも異常が見つかったら、トリミング後に飼い主へ報告し適切な対処を促します。どのような状態だったか、まず内容を知らせることです。例えば「皮膚に炎症でかゆみが起きている」「体温が高い、身体が熱い」など具体的に伝えることが大切地です。

■動物病院の受診の必要がある場合
特に緊急性を要する症状(意識障害や吐血、呼吸が異常に早いなど)の場合は、直ちに飼い主に連絡して動物病院に連れて行くようにしましょう。

■軽度の場合は経過をみてもらう
皮膚の炎症や目の充血などの軽い症状の場合には、飼い主に報告して様子をみてもらうようにします。(経過日数を伝え、それでも治らなかったら病院の受診を促す)

■トリミングの調整
トリミングによってストレスを抱えてしまう犬や猫もいます。ストレス性による変化の場合は短時間で終わらせるようにします。
また、皮膚炎で赤みが出ているなどの場合には、患部に刺激を与えないようなトリミングを配慮します。

■体調異常により中止する場合
トリミングを継続していると体調不良が悪化すると判断した場合、飼い主にペットの具合を伝えて直ちに中止するようにしましょう。

トリマーがペットの健康で異常を発見したら、まず飼い主に報告することが大切です。「動物病院の受診」、または「飼い主による経過観察」などは症状をみてからの判断です。

4.ペットの健康をサポートするトリミングサロン

トリミングサロンは犬や猫などの美容と健康を維持させる場所です。
安心して預けられるトリミングサロンは、ペットの健康を守ることが約束されています。
ここでは、ペットの健康維持のためにトリミングサロンが気を付けるべきことを紹介します。

★衛生面への配慮
店内は清潔感が重要です。常に明るさを保ち、トリミングで使用する道具(ハサミやブラシ、タオルなど)は清潔な状態にすることが大切です。

★トリマーの技術と知識
ペットの健康を守るためには、トリマーの専門知識と技術力が必要となります。
毛並みの乱れや脱毛、爪の状態など念入りなチェックをすることで、正常ではない状態だと判断するのもトリマーの役目です。高度な技術と知識を要しているからこそ、安全なトリミングを行うことができるのです。

★健康状態の記録
初回・常連のお客様に限らず、トリミングしたペットの健康状態は記録しておきましょう。
次回訪れて異常があった場合には、記録してあった内容との違いが発見の材料となります。

★飼い主とのコミュニケーション
動物はしゃべることができないので、飼い主からペットの健康状態を聞かなければなりません。また、飼い主からの質問に対しても最適なケアや対処方法などを提供しなければなりません。ペットの健康を維持するためには、飼い主とのコミュニケーション(情報交換)は非常に大切です。

さいごに

いかがでしたか。今やペットは家族の一員。大切なペットをお預かりする以上、美容の提供はもちろん健康をサポートする役割を果たすことが必要不可欠となっています。
最後には安心・信頼のできる「あのトリミングサロンがいい」と思われるお店につながる第一歩となるでしょう。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人