

3. 全面禁煙化による飲食店のメリット・デメリット
3.1 全面禁煙化によるメリット
日本における喫煙者率は年々減少傾向にあります。近年では、飲食店を選ぶときに全面禁煙のお店を選ぶ方も多いです。屋内が禁煙になることにより、非喫煙者や子連れファミリーの来店が増えるということが予想されます。それに、たばこが吸えなくなることで、長居するお客様が減り、お店の回転率が上がり、売上が伸びる可能性があります。今後は灰皿の交換、清掃の業務が不要になり、スタッフの手間が軽減されます。また、ヤニ汚れによる壁紙の張替えの頻度も少なくなりコスト削減にもなるでしょう。
【メリットまとめ】
- 回転率が上がり、売り上げアップが期待できる
- 非喫煙者、ファミリー層の集客に期待ができる
- ヤニ汚れによる壁紙の張替えの頻度がすくなくなりコスト削減になる
- 店内の臭い、汚れが軽減され、店内が清潔になる
- 灰皿交換や清掃の業務が不要になり、スタッフの手間が軽減される
3.2 全面禁煙化によるデメリット
まず、喫煙するお客様の来店が減る可能性があります。そして、一番のデメリットは、受動喫煙防止対策にコストがかかるということです。喫煙専用室の設置や換気装置を設置するとなると、〇十万円というコストがかかってしまいます。また、喫煙専用室の設置により、許容できる席数が少なくなってしまいます。そして、気をつけなければならないのは、この法律に違反すると罰則が科せられるということです。飲食店経営者は、法律を十分に理解し、適合した対策を行っていく必要があります。
【デメリットまとめ】
- 喫煙するお客様の来店が減る可能性がある
- 受動喫煙防止対策に喫煙専用室の設置など、費用がかかる
- 喫煙専用室の設置により、飲食スペースが圧迫され席数が少なくなる
- 受動喫煙防止法に違反すると、罰則が科せられる
4.飲食店における受動喫煙防止法の対策方法
飲食店経営者は、受動喫煙防止に関する法律や条例を守るために、十分な対策を行わなければなりません。ここでは、飲食店経営者が取り組むべき内容について具体的に紹介していきます。
4.1 喫煙専用室の設置をする
喫煙専用室は売上に貢献しないため、なるべくスペースを小さくするように設計したいです。店舗面積に対する割合を見ながら、席数を確保できるかが重要になります。
また、喫煙専用室の設置には、次の通りのルールがあるので確認しておきましょう。
- 出入口において、喫煙専用室の外側から内側に流入する空気の気流が0.2m/秒以上であること。
- たばこの煙が喫煙専用室の中から施設の屋内に流出しないよう、壁・天井等によって区画すること
- たばこの煙が施設の屋外に排気されていること
4.2 屋外の喫煙所の設置や公共の喫煙所を活用する
飲食店は、原則屋内禁煙ですが、屋外の私有地に喫煙スペースを設置することは可能です。
その際は、しっかりと周囲に対して、受動喫煙防止に配慮する必要があります。私有地が広く、周囲への配慮ができる郊外の飲食店には向いています。一方、人通りの多い市街地などでは、トラブルの事例があったりするので注意が必要です。店舗の近くに公共の喫煙所があれば、POPを作成してご案内するのもよいでしょう。
さいごに
いかがでしたか?
「受動喫煙防止について」、「飲食店への影響やメリット・デメリット」「飲食店における受動喫煙防止対策」について、ご理解頂けたかと思います。
まずは、あなたのお店がどの施設区分にあたるのかを確認しましょう。
経過措置対象となるのか、ならないのかで必要な対策法が変わってきます。
飲食店経営者は、2020年4月からの施行までに店舗の方針を固めて、しっかりと対策をしていきましょう。