事業再構築補助金の申請支援がスタート【飲食店の業種・業態転換等にも活用】

新型コロナウィルスの蔓延に伴い、店舗営業を継続していくために企業の再構築に対する支援金が国から補助されるようになりました。飲食店による業態転換や業種転換、事業再編、再構築などの取組にも活用できる制度です。今後の見通しが立たず、事業の継続が困難で事業再構築などを強いられているような状況である事業者の方には見過ごせない補助金制度です。
今回は、その事業構築補助金制度について解説していきます。ぜひ参考にしてみて下さい。

1.事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、新型コロナウィルスの長期化により新たな収益モデルの再構築を検討する中小企業や小規模事業者、個人事業主を対象とする支援制度です。経済が著しく低迷する中での新分野転換、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編を目指す企業のために構造転換を促すことを目的としています。このため、新しく事業の展開・進出に関わる建物費(建物の修繕費など)も必要に応じて補助されることになります。
なお、事業再構築補助金は予算額1兆1485億円という巨額な予算のもとでの補助金の大きな支援策として注目を集めています。

2.補助金の申請方法とスケジュール

事業再構築補助金の申請は、電子申請のみの受付で「GビズID」の取得が必要です。
なお、現在「GビズIDプライムアカウント」の電子申請増加に伴い、取得まで時間がかかることから「暫定GビズIDプライムアカウント」の申請も可能とされています。

・第一回の応募スケジュールは次の通りです
公募期間:2021年3月26日(金)~4月30日(金)18:00
申請開始:2021年4月15日(木)予定
採択結果:2021年6月
(公募期間は2021年度内に4回ほど実施される予定です。)

事業再構築補助金の申請において、事業計画書は合理的で説得力のある事業計画書であることが重要です。Wordなどで最大15ページ以内での作成をすることが求められています。また、現在の事業状況や再構築の種類(事業再編、業態転換、業種転換、分野転換)の具体的内容について記載します。
公募要領が更新されていますのでご参考ください。⇒参考書類様式

3.事業再構築補助金の申請要件・対象経費

複数ある支援制度のなか、事業再構築補助金は店舗改修等による建物費(建物の修繕費など)といった経費も対象となり、中小企業(通常枠)での補助金が高額であることが特徴です。新たな分野での業態転換や業種転換、事業再編などを目指す事業が支援を受けるには、申請要件に満たしていなければなりません。また、経費による支援も補助対象経費であることが必要です。

●申請要件
補助金を申請するには、以下のような対象事業者に該当する必要があります。

(中小企業庁「事業再構築補助金の概要」より抜粋)


(2)の「事業再構築の取込」においての業態転換等ですが、現在の店舗営業を継続させながらの申請は可能です。具体的な例として以下のような活用イメージが挙げられます。
・居酒屋経営などでオンライン専用の注文を開始し、宅配やテイクアウトの需要に対応。
・レストラン経営で店舗の一部を改修し、ドライブイン形式による販売を実施。
・弁当販売の経営で新規に高齢者向け食事宅配業を開始し、高齢化へのニーズに対応。

(3)の「認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する」とありますが、事業目的を達成するための経営理念に基づいた事業計画が不可欠となります。
・前述した通り、補助金が採択されるためには合理的で説得力のある事業計画書を策定することが必要です。
・事業計画は、認定経営革新等支援機関と策定することが必要です。認定経営革新等支援機関は、事業実施段階でのアドバイスやフォローアップも期待されています。
 (認定支援機関の検索サイト参照⇒認定経営革新支援機関

●対象経費と対象外経費
事業再構築補助金は、対象となる経費と対象外の経費があり、具体的に以下のような経費が挙げられています。

≪対象となる経費≫
・建物費(建物の改修費や撤去費、賃貸物件等の原状回復)
・業種や業態転換などによるシステム購入や設備費、リース費用
・広告宣伝費、販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展費等)
・専門家経費(※応募申請時の事業計画作成に要する経費は対象外)
・技術導入費(知的財産権導入に係る経費)
・教育に関わる研修費や教育訓練費など
・予約システム購入費、ECサイト構築などによるITシステム機器等

≪対象外経費≫
・従業員の人件費や旅費
・不動産、車両、家具、パソコンやスマートフォン
・光熱水費、通信費、消耗品費、フランチャイズ加盟料

4.事業再構築補助金の補助額・補助率

事業再構築補助金には、業種・業態転換や新規分野に向けて支援する通常枠の他に、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に伴う時短営業や外出自粛などに影響を受けた事業を支援する特別枠があります。

●通常枠

対象事業者類 型補助額補助率
中小企業通常枠100万円~6,000万円2/3
中小企業卒業枠6,000万円~1億円2/3
中堅企業通常枠100万円~8,000万円1/2※4,000万円超は1/3
中堅企業グローバルV字回復枠8,000万円超~ 1億円1/2

卒業枠⇒400社限定で、事業計画期間内に「組織再編」、「新規設備投資」、「グローバル展開」などのいずれかにより、資本金や従業員を増やし、中小企業から中堅企業へワンステップ成長する事業者向けです。

グローバルV字回復枠⇒100社限定で、以下の要件を全て満たす中堅企業向けです。
①申請前の直近6か月間のうち、合計売上が任意の3か月よりコロナ以前の3か月の売上高と比較して15%以上減少していること。
②補助事業終了後3~5年で、付加価値額または従業員1人の付加価値額の年率5.0%以上の増加が見込まれること。
(付加価値額の定義は、営業利益、人件費、原価償却費を足したもの)
③国内のみならず海外にも視野を向けたビジネスを展開。

※なお、「卒業枠」と「グローバルV字回復枠 」においては、不採択の場合、「通常枠」の補助額範囲内での再審査が可能です。

●緊急事態宣言特別枠

従業員数補助額
5人以下100万円~500万円
6人~20人以下100万円~1,000万円
21人以上100万円~1,500万円

補助率⇒中小企業:3/4、中堅企業:2/3
特別枠の要件は、通常枠の申請要件に満たし、かつ時短営業や外出自粛などの影響を受け、令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年(または対前々年度)の同月比で30%以上の減少がみられている事業者が対象となります。

※「特別枠」で不採択となった場合は、加点のうえ、通常枠で再審査が可能です。

さいごに

いかがでしたでしょうか。新型コロナウィルスが拡大しているなか、依然として飲食店は厳しい状況にあります。経営を継続させるために、業種転換や業態転換、事業再構築の取組を考えている事業者の方は事業再構築補助金という支援制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

広田 淳